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眠りのお悩み解決
ぐっすり眠れない
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第1回目のテーマは「ぐっすり寝た気がしない」を取り上げてみます。皆さん、そんな経験はありませんか?子どもの頃の自分や、お子さんが”泥のように眠る”様子を見かけたことは無いでしょうか。ある意味、うらやましいですよね。子ども、若い方の特権です。
歳を重ねると、なかなか”泥のように眠る”わけにはいきませんが、それでも眠りを深くぐっすりと眠るヒントはあります。そのポイントを見てゆきましょう。
【ぐっすり眠れない原因】
・眠る環境が良くない(温度、音、明るさ、寝具)
・体内時計の狂い(季節により変化あり)
・間違った睡眠習慣や生活習慣
・日中の運動量、活動量の不足
・ストレス(仕事、家庭、不安感など)
・眠らないといけないという強迫観念
・睡眠誤認(眠っているのに眠れてないと誤認)
・病気の可能性(睡眠時無呼吸症など)
【ぐっすり眠るために】
1.寝室環境を整える
@温度:冬場20℃前後、夏場26℃前後
A明るさ:真っ暗(照明が必要なら足元に)
B音:無音または小さなホワイトノイズ
2.睡眠のしくみを考える
@眠りのもとをためる
長い昼寝、うたた寝をしない
A眠れるからだをつくる
朝は光を浴びる、寝る1時間前のお風呂
運動、昼間は活動的に人との交流を意識
3.生活習慣
@寝る前に電子機器を使わない
A寝る前に脳を興奮させない
B寝酒はNG
Cカフェインは夕方以降は避ける
D晩ごはんは眠る2時間前までに
E早すぎる就寝は避ける
4.眠りの考え方
@若い頃のように眠れなくても自然なこと
A必要以上に寝床に居ない
→睡眠の満足度を上げるため
B三行日記、瞑想、睡眠儀式など
ストレスを持ち越さない
C睡眠日誌を付けてみる
自分の眠りを把握する
5.睡眠の病気を確認
いびき、鼻づまり、必要なら医療機関を受診
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眠りのお悩み解決
寝付きが悪い
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第2回目のテーマは「寝付きが悪い」を取り上げてみます。睡眠障害で「入眠困難」も同様の症状がありますが、今回は漠然と「寝付きが悪い」ことへの対処を考えてみます。
睡眠障害としての「入眠困難」への対処は、また別日にお伝えします。ただ、今回の内容がその対処法として有効な場合もありますので、お試しになることは強くお勧めします。
【寝付きが悪い原因】
@寝室環境はどうでしょう
・温度、湿度、音、寝具は大丈夫?
A寝るリズムになっていない
・起きる時刻が遅くなかったですか?
・いつもより早く寝ようとしていませんか?
・夜に明るいところで過ごしていませんか?
・寝る前に強い運動をしていませんか?
B眠り物質がたまっていない
・うたた寝をしていませんか?
・長い昼寝をしていませんか?
・しっかり朝食を摂り陽に当たっていますか?
C生活習慣を確認してみます
・眠る前まで電子機器を操作していませんか?
・感情がたかぶる動画を視聴していませんか?
・カフェインやタバコは何時が最後でしたか?
・昼間は活動的に過ごしましたか?運動は?
Dこころとからだの問題
・仕事や人間関係の悩みはないですか?
・ご家庭や職場の心配ごとは無いですか?
・なにかしらの強い不安は無いですか?
・病気やけがによる痛みは無いですか?
・お使いのお薬の影響は無いですか?
【寝付きをよくするために】
1.朝
・朝は決まった時間に起きる(休日も)
・朝からしっかりとタンパク質を摂り陽に当たる
2.昼間
・昼間は活動的に過ごす
・眠気があれば遅起きはせず短い昼寝で対処
・カフェインは3時の休憩までとする
3.夕方〜夜
・夕方(夕食後)からは部屋の明かりは暗めにする
・アルコールは夕食で終わり
・お風呂はぬるめ、寝る1時間から1時間半前に
・寝る前に強い運動はしない
・眠ろうと早くから寝床に入らない
4.就寝前
・寝る前1時間はリラックスして過ごす
・寝る直前まで電子機器・画面を見ない
・入眠儀式を取り入れてみる
・軽いストレッチ
・三行日記などで寝るまでに気持ちを整理する
5.その他
・持病はしっかり治療する
・こころの病は早めに医師に相談
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眠りのお悩み解決
何度も目が覚める
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第3回目のテーマは、「寝た後に(何度も)目が覚める」を取り上げてみます。睡眠障害で「中途覚醒」も同様の症状がありますが、今回は薬に頼らず改善できるポイントを探してみます。
目が覚めてしまう原因を探ることは大事です。対処法は一度に全部しようと思わず、できることから始めてみましょう。
【目が覚める原因】
@環境に問題あり
・明るい、暑い・寒い、うるさい
・閉め切った部屋(二酸化炭素)
・寝具の問題
A眠れるリズムになっていない
・就床、起床時間のバラつき
・就寝前の激しい運動
・就寝前の熱いお風呂
・電子機器の使用(画面)
・寝すぎ(寝床に長く居過ぎる)
B眠りのもとが足りない
・メラトニン不足(食事の影響)
・運動不足(活動的でない)
・長い昼寝・夕食後のうたた寝
・明るいところで夜を過ごす
C神経が休まっていない
・脳を興奮させる動画やゲーム
・心配事やストレス
・こころの病
D病気の可能性
・睡眠時無呼吸症候群
・周期性四肢運動障害
・その他睡眠を分断する疾患
【目が覚めないようにするために】
(目が覚めにくくするためには)
1.眠れる環境づくり
・温度:冬場20℃前後、夏場26℃前後
・明るさ:真っ暗(照明が必要なら足元に)
・音:無音または小さなホワイトノイズ
・晩ごはんは眠る2時間前までに
・カフェインは3時の休憩までとする
・アルコールは夕食で終わり
2.生活(睡眠)のリズムを整える
・朝は決まった時間に起きる(休日も)
・朝は太陽の光を浴びる
・夕方(夕食後)からは部屋の明かりは暗め
・眠ろうと早くから寝床に入らない
・お風呂はぬるめ、寝る1時間から1時間半前
・寝る前に強い運動はしない
・昼間は活動的に過ごす
3.眠りのもとをためる
・朝からしっかりとタンパク質を摂る
・長い昼寝、うたた寝をしない
・必要以上に寝床に居ない
4.副交感神経を優位に
・寝る前に脳を興奮させない
・寝る直前まで電子機器・画面を見ない
・寝る前1時間はリラックス
・軽いストレッチ
・入眠儀式を取り入れてみる
・三行日記などで気持ちを整理する
5.病気を確かめる
・持病はしっかり治療する
・こころの病は早めに受診
・生活習慣を見直しても改善しないときは主治医に相談
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眠りのお悩み解決
朝早く目が覚めて それ以上眠れない
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第4回目のテーマは、「朝早く目が覚めてしまいそれ以上眠れない」お悩みです。高齢の方に多いのですが、睡眠障害で「早朝覚醒」とも呼ばれます。生活習慣・睡眠習慣の見直しで、改善できる可能性もあります。
【早く目が覚める原因】
1.体内時計の乱れ
・太陽の光を浴びず室内で過ごす
・夕方以降、明るい部屋で過ごす
・寝るまでテレビやゲームをする
2.環境の問題
・寝具の影響(固い、狭いなど)
・寝室の温度(熱い寒い)
・寝室が明るい(早く陽が入る)
・ペットやベッドパートナー
3.睡眠を維持できない
・メラトニン不足
・高齢
4.生活習慣の問題
・早く寝すぎる
・必要以上に寝床に居る
・夕方以降のカフェイン摂取
・夕食後のアルコール摂取
・日中の活動低下
・早くから起きだす習慣
5.心理的要因や病気が原因
・ストレス
・うつ病(他の睡眠障害も併発しやすい)
・睡眠時無呼吸症候群
・頻尿(前立腺肥大、高血圧、糖尿病など)
朝早く目が覚めても日中に眠気や倦怠感がなければ、必要な睡眠時間は確保できていると考えられます。特に気にしなくても良いでしょう。日中の生活に支障が続く場合は、なにかしら病気が潜んでいる可能性があります。その際は医療機関を受診するようにしましょう。
早く目が覚めて行動を起こすと、特に朝早くから太陽の光を浴びるようなことがあると、夜は早く眠くなります。そして早く眠ると次の日がまたいっそう早く目が覚めるという悪循環に陥る場合があります。
起床時間から逆算して、就床時間を決めてみましょう。例えば、7時間睡眠がちょうど良く、6時に起床したい場合は、23時に眠るようにします。これより早く寝ると、早く目が覚めてしまうことになります。
【早く目が覚めてしまう時の対処法】
1.体内時計を正しく調整
・寝室は適切な温度、明るさ
・夕食後以降は部屋の明かりは暗め
・寝る前最低1時間は画面を見ない
2.寝室・睡眠環境を整える
・寝具は適度な固さと広さ
・寝床は自分専用、ペットも不可
3.眠れるからだづくり
・朝ごはんでたんぱく質
・バランスの良い食事を心がける
・高齢ではある程度早く目覚めるのは仕方がないと理解する
4.生活習慣・睡眠習慣を見直す
・早く寝すぎない
・寝床に居るのは必要な睡眠時間+1時間まで
・夕方以降のカフェインはやめる
・夕食後は飲酒しない(寝酒禁止)
・日中は活動的に過ごす(運動、交流)
5.こころの問題や病気を確認
・ストレス、うつ病、睡眠時無呼吸症候群
・前立腺肥大、高血圧、糖尿病などの治療
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眠りのお悩み解決
夢を見るのは 良いの?悪いの?
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第5回目のテーマは、「夢」のお悩みです。夢を見るのは良いの?悪いの?怖い夢を見るんだけど。などの相談をいただくことがあります。さてその不思議に迫ってみましょう。※中ほどにこの回答があります。
【夢のふしぎ】
1)夢はいつ見る?
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があり、このどちらでも夢を見ます。ただし、覚えていないことがほとんどです。それでも時折は覚えていることがあり、ノンレム睡眠時は不明瞭な夢、レム睡眠時はかなり鮮明であることが多いとされています。レム睡眠時に起こすと、そのときに見ていた夢を語ることもできます。「夢を見た」と言うときの夢は、このレム睡眠時の夢であることがほとんどです。
2)夢を見るメカニズムは?
夢は、脳の中でいろいろな情報を整理するときの副産物とも考えられます。レム睡眠時の夢は鮮明ですので、その夢の通りに動いてしまわないように、夢を見る部位−身体を動かす部位−記憶をつかさどる部分は遮断されています。そのため、夢を見てもその通りに身体は動かず、夢を覚えていることもほぼありません。
3)昨日見た夢はいつの夢?
ただし、レム睡眠中に目が覚めてしまった場合は、その夢を覚えていることもあります。レム睡眠は一晩に4〜5回ほどあり、その度に夢を見ていますが、おおむね明け方に見た夢(目が覚めやすい時期のレム睡眠)が「昨日見た夢」になります。
4)こんな夢を覚えていませんか?
また、脳の中で感情をつかさどる部位と記憶する部位はごく近くにあり、感情が高ぶる(強く情動が起きる・楽しいや悲しい)と関連して記憶は強く定着することになります。夢も同様に、感情を揺さぶるような夢(怖い、悲しい、びっくり、超楽しい)は覚えておきやすくなります。
通常見る夢は、楽しい夢も怖い夢も、どちらも心配はありません。子どもの頃は脳がまだまだ発達途中で、夢と現実や睡眠と覚醒があいまいになることもあり、これが夢遊病や夜驚症(睡眠時驚愕症)、夜泣き、おねしょをもたらすこともありますが、だいたいは成長するにつれ見られなくなります。
一方で、夢の中には病気と関連の深いものもありますので、こちらは注意が必要です。
【夢と病気】
1)睡眠時無呼吸
眠りが浅くなりレム睡眠(夢を見ている)で目が覚めやすくなる
2)ナルコレプシー
寝入りばなに夢を見ることがあり、かなしばりを生じることがある
3)レム睡眠行動異常
夢のまま身体が動いてしまう。レビー小体型認知症の初期症状の場合あり
4)心的外傷後ストレス障害PTSD
悪夢だけでなく入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒なども併発することが多い
5)悪夢
ストレスやアルコールが原因の場合あり。出現しやすくなる薬剤にも注意
夢はコントロールできませんが、脳の夢を見る部位と感情をつかさどる部位は近くにありますので、感情を整えることで夢に影響をもたらす可能性はあります。良い夢を見るためには、からだとこころを整えることや環境を整えることで改善する傾向があるようです。
【良い夢を見るために】
1)リラックス
・お風呂やストレッチ
・アロマ、好きな本や音楽など
・睡眠儀式、瞑想
2)ポジティブに
・三行日記
・楽しかったことを書き出す
・嬉しかったことを思い出す
・見たい夢を思い浮かべてみる
3)リズムを整える
・一定の時間に起きる
・日中は活動的に
・夜は暗めの部屋で過ごす
4)環境を整える
・熱くなく寒くない室温で
・快適な寝具
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櫻井武「睡眠の科学」講談社ブルーバックス2010.11
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眠りのお悩み解決
わかっているけどできない
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第5回目のテーマは「わかっているけどできない」、そんなお悩みです。
「頭ではわかっているのに、なかなか行動に移せない。」そんな経験はないですか?あります!私はあります…。ぐっすり眠りたい、健康的な生活を送りたいと思っても、つい先延ばしにしてしまう。それは決して意志が弱いからではなく、「できない」には必ず「できない理由」があります。
睡眠・快眠習慣について、「わかっていてもできない」「したいけどできない」を解決する7つの心理と7つの対策、”7&7”を見てゆきましょう。
【なぜ?わかってもできない7つの心理】
1)「ま、いっか」の誘惑:目的意識が希薄
本当にしたいことではない、もしかするとしなくてもよいのではと考えている
2)「やっぱり無理」な目標:高すぎる目標設定
達成までの道筋が見えず、あきらめの気持ちの方が強くなっている
情報過多や完璧主義が足かせになる場合もあります
3)「今じゃなくても」:重要度(優先度)が高くない
時間が無い、後回し、いつかやろう、面倒くさい、他にしたいことがある
4)「すればどうなる」:(どう役立つか)メリットが明確でない
未来像や生活の具体的イメージがわかない、情報不足が原因の場合もあり
5)「自分は大丈夫」の幻想:デメリットの認識不足
しなければどうなるか(不利益)がイメージできていない
今のままでもなんともない、自分は大丈夫という根拠のない思い込み
6)「心のバリア」:自己擁護(自己防衛)
しないことで、やればできるという言い訳を残しておきたい
7)「どうせ無理」の呪縛:言い訳・思考停止
はなからできないと思い込んでいる(言い訳を考えている)、諦め
難しすぎてできない、自分には無理、やっぱり無理、過去の失敗経験
できないことは悪いこと(自分を責める)ではなく、できない理由があると理解しましょう!
【変わるための第一歩!わかってるけどできないときの7つの対策】
1)現状把握
できているかできていないか、どこまでできているか、どれくらいならできそうか
2)できていなければその原因は何か
できていない自分が悪いのではなく、できない理由がある
3)できていることがあればそれを継続
何が良かったか、できている自分をほめる
4)目的を再確認する
目標を小さく積み重ねる、具体的な方法や数値の見直し、成功体験の積み重ね
5)達成できた自分とメリットをイメージする
ぐっすり眠る自分やすがすがしい朝、健康的な毎日をイメージする
6)できなかった時の不利益をイメージする
病気で入院している自分、事故、対人関係のトラブル、憂鬱な毎日
7)適切なサポート
行動するための知識やその方法のアドバイス、サポートは目的達成に大変有効です
どうでしょう。何だか勇気が湧いてきました。できることから始めること、最初から全部しようとしないのがコツかもしれませんね。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン.第3版.じほう社
メンタルトレーニングスペシャリスト資格講座.日本能力教育促進協会
心理カウンセリングスペシャリスト資格講座.日本能力教育促進協会
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眠りのお悩み解決
枕の選び方
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第7回目のテーマは「寝具」について。今回は枕について考えてみましょう。
枕、悩みますよねぇ。高いのがいい?低いのがいい?自分に合った枕はどんな枕?悩みは尽きません。次のことを気にしてみてください。後半ではお試し枕のつくり方もご紹介します。
【枕選びのポイント】
・適度に頭と首を支える
・寝心地が良い(安心感)
・寝返りを打ちやすい(妨げない)
・放熱性が良い
・衛生的
【枕はここを見て!】
1)高さ
・仰向けでは頸椎が緩やかなカーブ、横向きでほぼストレートになるような高さにします。高さは12p程度までとしてみましょう。
2)硬さ
・素材に左右されます。硬さはお好みになりますが、通気性の良い素材がお勧めです。
3)素材による違い(目安)
・柔らかい(熱がこもりやすい)⇔硬い(放熱性:大)
・羽根・羽毛<低反発<綿<マイクロビーズ<そば殻<パイプ
4)放熱性
・眠りに付くためには脳の温度(深部体温)を下げる必要があります。おおむね素材の違いに順じます。柔らかいものは熱がこもりやすくなります。
5)大きさ
・寝返りの多い方や子どもは大きめの枕が頭から外れにくく向いています。
6)ここもチェック!
・肩から首の隙間を埋める大きめの枕もお勧めです。
・高すぎる枕は椎骨動脈乖離を起こしやすい報告(殿様枕症候群)もありますので、高すぎる枕(12〜15cm以上)は控えましょう。
・横向き・仰向きの両方に合うように、枕の真ん中が柔らかくくびれ、両端が高めで硬めのものもあります。
・ただし、真ん中がくびれた枕は寝返りが打ちにくくなる傾向があるようです。
・包み込むような柔らかい枕は安心感をもたらします。ただし寝返りを打ちやすいのは硬めの枕です。
・柔らかい枕は頭の熱がこもりやすく寝苦しくなったり(特に夏場)、寝返りが打ちにくくなりますので注意が必要です。
・抱き枕は横向き寝を助けてくれるため、夏場の暑さが緩和されたり安心感をもたらすほか、軽度の睡眠時無呼吸症には症状軽減につながることもあります。
・衛生的には丸洗いできるものが良いでしょう。
・実際に横になって枕を試しましょう。寝心地のほか、寝返りのしやすさを確かめることが大事です。
※人それぞれ好みや合う合わないがあります。これらのことを総合し、自分が一番眠りやすい、寝心地の良い枕を選びましょう。
【枕選び・作り方】
・厚手の玄関マットやバスマットを三つ折りにし、その上にタオルケットを置き、高さを調整して枕を作ります。一番寝やすい枕が自分に合った枕の高さで、このまま使い続けるのも良い選択です。
・少し工夫し、マットやタオルを巻き込んで、両脇を高めのするのも横向き寝には良い作り方です。
・自分に合う枕の高さがわかれば、その高さを元に市販のものを買うのも一手です。
・枕は使っているうちにヘタってきますので、少し高めのものにするか適宜調整することが必要です。
次回はマットレス・布団についてお話します。こちらもいろいろな種類がありますが、寝返りをしやすい適度な硬さのマットが疲れにくくお勧めとなります。
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Shuhei Egashira et.al. High pillow and spontaneous vertebral artery dissection: a case-control study implicating “Shogun pillow syndrome”.European Stroke Journal, 2024
山田朱織.16号整形外科・枕と睡眠専門クリニック
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眠りのお悩み解決
ふとん・マットの選び方
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第8回目のテーマは「ふとん・マット」です。いろいろなメーカーからいろいろなタイプのふとんやマットが出されています。さぁて、どれが自分に合っているのでしょう。
【ふとん・マット選びのポイント】
1)保温性(放熱性)
2)保湿性(吸湿性、放湿性)
3)軽さ・重さ
4)柔らかさ・肌触り
5)身体保持性能(硬さ)
6)大きさ
7)衛生面
【敷布団・マットのポイント】
1)素材(ふとんとマットの組み合わせ)
・保温性、吸湿・放湿性、弾力性に優れているものを季節に合わせて選びます
・綿、麻、ウール、コットン(木綿)、ガーゼ、リネン、ポリエステル、ウレタンなど
・冬場は保温性、夏場は冷感を重視しても良いでしょう
・冬場は断熱シートも効果的ですが、湿気が逃げにくいことにご注意ください
2)身体保持性能(硬さ)
・耐圧分散に優れているもの、頭、肩、背中、お尻やかかとに重さがかかり過ぎないもの
・柔らかすぎる敷布団・マットは寝返りがしづらく、腰の正常なカーブを損ねる恐れがあります
・痛くなく適度な硬さのあるものがお勧めです
3)大きさ
・寝返りが打てる十分な広さが必要です
4)衛生的
・丸洗いできるふとんやマットは、汚れ、ダニ、カビ、細菌の繁殖予防に効果があります
【掛け布団のポイント】
1)素材(保温性)
・綿、麻、ウール、コットン(木綿)、ガーゼ、リネンに加え、冬場は羽毛が温かく過ごせます
・夏場はドライ素材、冷感素材が心地よく眠れます
2)保湿性(吸湿性、放湿性)
・夏場に限らず冬場も睡眠中は汗をかきます。吸湿性の良くないものは避けましょう
・夏場はエアコンで室温は低めに、掛け布団で寝床の中の温度を調整すると良く眠れます
3)軽さ(重さ)
・軽いふとんは寝返りがしやすく良く眠れる傾向があります
・重いふとんは寝返りがしづらくなりますが心理的な安心感は増すようになります
4)柔らかさ・肌触り
・寝心地や触り心地の良いものが良いでしょう
・毛布はウールなどの天然繊維は吸湿性放湿性に優れており肌触りも良いので布団の内側にします
・アクリルなどの合成繊維の毛布では掛け布団の上に掛ける方が断熱効果は高くなります
5)大きさ
・寝返りをうってもはみ出ない大きさは必要です
寝具は好みや感じ方に個人差があります。適した寝具、自分に合った寝具は、季節のほか好みも変わることがありますので、時々は見直してみることもお勧めです。
次回は、パジャマ、寝巻、リカバリーウェアについて考察してみます。
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医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構(2013)
株式会社丸八真綿販売.おうちdeまるはち安眠コラム:https://ouchi-de-08.jp/column
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眠りのお悩み解決
パジャマ・寝巻きの選び方
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第9回目のテーマは「パジャマ・寝巻き」です。パジャマは眠るために特化した衣服なので、寝付きも良くなる、睡眠効率が上がる、安心して眠れるなどの効果があります。部屋着でそのまま眠り寝付きが悪い・眠りが浅かったのが、パジャマにするだけで良い眠りが得られた事例もあるようです。
【パジャマ選びのポイント】
1)吸湿性が良いこと
・汗をかくことは睡眠中の体温調節に重要な役割です
・特に夏場は吸湿・吸水性に優れたものを選びます
2)保温性があること
・保温・保湿効果が高いものを選びます
・適切な厚みのものは夏冬を問わず保温効果が高く寝冷えを防ぎます
・夏は放熱性も重視します
3)素材
・綿(コットン):吸湿性に優れる素材です<オールシーズン>
・麻(リネン):涼しく乾きやすいので夏に向いている素材です<夏場>
・シルク:保温・保湿・放熱性に優れた肌触りの良い素材です<冬場・オールシーズン>
・化学繊維(綿とポリエステルなど):そのままではやや吸湿性に劣りますが、素材を工夫し発熱作用のほか湿気や熱を放散する機能性(ヒートタイプ、ドライタイプ)を持つものもあります<オールシーズン>
4)季節
・夏と冬では素材や厚み、織り方や仕立ての違うものを選びましょう
・夏は通気性のよいもの、冬は保温性の高いものを重視します
・吸湿性の悪いものは、夏は汗を吸い取れきれず、冬は体温が逃げやすくなります
・冬に吸湿性の良くないものを選ぶと、汗を吸収しきれず湿度が上がり暑く感じたり、逆に汗により冷えを伴うなど、体温調整が難しくなります
5)形
・吸湿性や保温性を考えると、夏冬を通し七分袖から長袖に長ズボンがお勧めです
・季節ごとに袖や丈の長さを変えるのも良いでしょう
・半袖や短パンでは汗を取り切れず、ひじやひざの裏側に汗が溜まりやすく不向きです
・夏場は寝室温度は低めにしてふとんとパジャマで調整します
・冬場は保温性を重視しやや厚めの生地を選びましょう
・ゆったりしたデザインがリラックスできます。寝返りを妨げない大きさにしましょう
6)ゆとりがある
・からだを締め付けないゆったりとした作り
・夏はよりゆったりとしたものが良く、通気性も良くなります。首元や胸元、腕や足回りもよりゆったりと開いているものを選びます
・寒い時は襟元や袖口が狭まったものを選ぶと保温性が高くなります
・ウエスト部分のゴムがキツくなく締め付け感がないものを選べば、就寝中の寝苦しさも軽減されます
7)寝返りがしやすい
・からだにフィットした形のものや分厚い素材のものを着用していると、寝返りが打ちにくく痛みや寝苦しさを感じやすくなります
・生地に伸縮性があり楽に寝返りを打てるものが、良い睡眠には効果があります。
8)部屋着と区別しましょう
・ジャージ素材などは動きやすいですが、吸湿性が低いなど寝る用には適していません
・パジャマに着替えることで、これから眠るという暗示(睡眠儀式)効果もあります
【部屋着について】
スウェットやジャージを家用として着られる方も多いようです。これらはあくまでも普段着と考えます。動きやすく過ごしやすいですが、機能面から眠ることには適しておらず、スウェットやジャージで眠ることはお勧めしません。あくまでパジャマ・寝巻きではなく部屋着として着用してください。
【リカバリーウェアについて】
このところリカバリーウェアが話題です。リカバリーウェアは、素材や形に工夫が加えられておりリラックスして過ごすときに適したウェアになります。遠赤外線や磁力などにより血行を促進したり、生地の織り方や形状を工夫をしたものがあります。疲労回復や血行促進、良い眠りに効果があるとしています。寝るまでの間、よりリラックスすることを目的とするのでしたら、部屋着よりもさらにゆったりとしたリカバリーウェアも良いようです。
ただし、普段着で過ごしてて特に眠りに問題が無ければ、無理をしてリカバリーウェアを着る必要も無いでしょう。よりリラックスして過ごしたい、眠りが気になるようなことがあれば、お試しになってみてください。
ゆったりしたリカバリーウェアは、着ごこちや肌触りなどで、副交感神経が優位になり、眠りに付きやすくなる効果は期待できます。(個人差があります。)良い眠りのためではなく、良い眠りのための準備ウェアと考えると良いでしょう。
リカバリーウェアの使い方としては、寝るまではリカバリーウェアで過ごし、眠るときはパジャマに着替えることをおすすめします。リカバリーウェアで眠る場合は、上記のパジャマの条件に合っているか、良く確認してみてください。
実際には、眠るときは「眠る就寝具(パジャマ)」に着替えることが睡眠儀式につながり、眠る習慣付けから眠りに付きやすくなることが往々にしてあります。パジャマ、大事です。
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医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構(2013)
グンゼ 着心地プラス:https://www.gunze.jp/kigocochi/article/1k201906-01/
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眠りのお悩み解決
昼間の眠気・睡眠不足
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第10回目のテーマは「昼間の眠気」です。昼間の眠気には、いろいろな病気が潜んでいる可能性もありますが、原因として多いのは@睡眠不足、A睡眠時無呼吸症です。今回はこちらから@睡眠不足を主に見てゆきます。
【昼間の眠気の原因は?】
昼間に眠気がある原因としては、次の2つに大別されます。
1.夜間の睡眠以外に問題あり
2.夜間の睡眠が十分でない
これらのうち1.についてはナルコレプシーや特発性過眠症などが含まれ、医療機関を受診する必要があります。
2.については更に
@睡眠不足
A睡眠時無呼吸症候群
B不眠症があり眠れていない
などの原因が含まれます。B不眠症(眠れない)については、別項をご覧になってみてください。
今回は@睡眠不足についてまとめてみます。A睡眠時無呼吸症候群は次回ご報告します。
【睡眠不足】
1)原因
夜更かしなどで自らが寝る時間を制限してしまっている「行動起因性睡眠不足症候群」や、もともと長時間睡眠が必要な方がそれに気づかず必要な睡眠時間をとれていない「長時間睡眠者」が、これに当たります。
2)症状
・目覚めがすっきりしない(頭痛、吐き気の場合あり)
・集中力や注意力が低下する(本人は気付きにくい場合あり)
・不機嫌、攻撃的な性格変容、イライラ、不安
・日中に眠たい(特に午前中に眠気がある場合は睡眠不足は重症です)
・休日に遅くまで寝てしまう(おおむね平日より1〜2時間以上)
・月曜日から週の後半に進むにつれ日中の眠気が強くなる
・体重増加、風邪をひきやすい、精力減退
3)対策
何をおいても睡眠時間を確保することです。睡眠時間を確保するためには、朝に起きる時間を遅くするのではなく、眠る時間を早めることで対処しましょう。
休日にまとめて睡眠をとることは体内時計のズレにもつながり、お勧めできません。睡眠時間の不足分は、毎日の睡眠で返済してゆくことが大事になります。
睡眠日誌(睡眠記録アプリ)、眠気のテスト(ESSテストなど)を記録・実施すると、自身の睡眠の状態の気付きになります。ぜひお試しください。
睡眠日誌:(PDF)https://x.gd/CLYtw(Excel)https://x.gd/rkO3W
今回の睡眠不足「行動起因性睡眠不足症候群」は、その名前の通り”自らの行動が睡眠不足を生じさせている”状態です。眠りたい、眠った方が良いと感じているにもかかわらず眠らない、眠る時間を削ってしまっています。言い方は悪いですが、「覚醒依存症」とも言えるべき状態です。(こんな病名はありませんが)
その代わり、自分が変えよう、見直そうと行動することで、この病気は改善可能です。自身で治療可能な病気が「睡眠不足症候群」です。
ただし、対処をしてもなお眠気が続く場合は、病気が潜んでいる場合もありますので、その際は医療機関を受診しましょう。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
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眠りのお悩み解決
昼間の眠気・閉塞性
睡眠時無呼吸症候群
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第11回目のテーマは「昼間の眠気」から「睡眠時無呼吸症候群」です。日中の眠気にはいろいろな病気が潜んでいる可能性もありますが、よくお聴きするのは@睡眠不足、A睡眠時無呼吸症です。
【昼間の眠気の原因は?】
1)夜間の睡眠以外に問題あり
@ナルコレプシーや特発性過眠症など
A医療機関を受診する必要あり
2)夜間の睡眠が十分でない
@睡眠不足
A睡眠時無呼吸症候群
B不眠症があり眠れていない
などの原因が含まれます。
睡眠時の呼吸障害にはいくつか種類がありますが、ここでは最も頻度の高い「閉塞性睡眠時無呼吸障害群」として説明します。
【睡眠時無呼吸症候群】
その名の通り眠っているときに息が止まる病気です。およそ人口の5〜10%の頻度で、治療が必要な方はおよそ900万人もいるとされています。肥満や閉経、加齢、飲酒などがリスク因子とされていますが、骨格や鼻やのどの形態的な問題により若年・子どもであっても発症することもあります。治療をされている方はこのうち約50万人、約5%にとどまっています。
1)原因
気道が狭くなり空気(呼吸・息)が通りづらくなります。
・肥満(舌の肥大、咽頭・喉頭への脂肪蓄積)
・顎が小さい(後退している)
・元々のどが細い
・加齢による筋緊張の低下
・小児では扁桃肥大(アデノイド)
2)症状
・いびき、息が止まる
・眠りが浅い、トイレに何度も起きる
・起床時の頭痛、口が渇く、寝汗
・熟睡感が無い、すっきり起きられない
・日中の眠気、だるい、倦怠感
・その他、睡眠不足と同様の症状
・高血圧や糖尿病、生活習慣病の罹患
3)対策
上記の症状や睡眠時無呼吸を疑うとき、特に自分以外の方からの無呼吸の指摘があったときは、検査を受けるようにしましょう。自宅でできる検査があります。
・肥満の方は減量
・横向き寝で対応
・扁桃肥大の治療
・眠るときのマウスピース装着
・CPAP(鼻や口から空気を送り込む装置)の装着
・舌下神経電気刺激療法
【まとめ】
この2回は「昼間の眠気」のお悩みについて取り上げてみました。いかがでしたでしょうか。これらの病気があることを知っておくこと、そして何よりまずご自身の状態を確認することが大事になります。また、自己判断はせず専門家に相談や、医療機関を受診するようにしましょう。
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佐藤誠. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疫学. 日本内科学会雑誌, vol.109 No.6(2020)
睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
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眠りのお悩み解決
いびき対策
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
このシリーズ、「睡眠のお悩みと解決のヒント」に関連して、いびきや寝言についてもよくご質問があります。今回より何回かに分けて、「いびき」、「歯ぎしり」、「寝言」、「足のむずむず・ぴくつき」、「金縛り」についてお話します。
今回は「いびき対策」についてまとめてみます。いびき、困りものですね。自分自身では気づかないことも多く、知らず知らずに同室者を困らせていることもあります。自分自身に対しても、様子見で大丈夫ないびきから、病気の予備軍であったり治療が必要ないびきもあります。
「たががいびき」ではなく、自覚や指摘があった時は放置せず、状態を確認(スマホで記録、録音してもらう、医療機関を受診)するようにしてみましょう。
【いびきとは】
いびきの原因は、前回にお話した閉塞性睡眠時無呼吸症候群と似た原因・内容になります。息の通り道が狭まり、呼吸のたびに喉の柔らかい組織が震え音(いびき)が出ます。ちょうど、ハーモニカのようなものです。吐いても吸ってもハーモニカのリードは震え音が出ます。同様のことが身体でも呼吸の度に起こっています。(実際のいびきは息を吸う時の方が発生しやすくなります。)
「すやすや」「すーすー」という寝息も、狭いところを空気(息)が通るときに生じる音です。ただしこちらは健康的で、耳にするほうも安らぎますね。しかしこれが「ぐーぐー」あるいは「ごーごー」と大きな音になると、これはもういびきのサインです。
【いびきの原因】
前述のように、空気(息)通り道が狭くなることで生じます
@肥満:首周りの脂肪により気道が圧迫
A鼻づまり:アレルギー性鼻炎など
B口呼吸:気道が狭くなります
C疲労アルコール:のどの筋肉が緩みやすくなる
D喫煙:のどが腫れて狭くなる
Eお薬の影響:筋肉を緩める作用があるものも
F年齢(女性ホルモン):筋肉が緩みやすくなる
G性別:一般に男性に多い
H解剖学的要素:もともと喉が細いなど
I寝るときの姿勢:仰向けは下が落ち込みやすい
【いびきの影響】
@睡眠の質・量の低下:日中の眠気や集中力低下
A脳や心臓への影響:高血圧、糖尿病、生活習慣病
Bパートナーや同室者の不健康:睡眠不足助長
C睡眠時無呼吸症候群:進行しやすくなる
【いびき対策】
@生活習慣の改善
・体重管理(肥満予防)
・禁酒(アルコールの制限)
・禁煙
A睡眠環境の整備
・寝姿勢や枕の工夫(横向き寝)
・温度、湿度の調整
B医療機関への相談
・アレルギー(鼻炎)の治療
・服用薬物の確認(医師・薬剤師)
・医療機関の受診(医科・歯科)
Cいびき対策グッズの使用
・マウスピース(歯科で作成もあり)
・口開き防止グッズ(口テープ、あごバンド)
・鼻拡張テープ
・いびき防止枕(横向き寝を促す)
いびき対策グッズについては、効果がある方とあまりない方がおられます。宣伝文句を鵜呑みにせず、スマートフォンでいびきを記録したり、ご家族や同室者に尋ねて効果を確認するようにしましょう。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
MSDマニュアル(家庭版/プロフェッショナル版)
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眠りのお悩み解決
いびき対策
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
「睡眠のお悩みと解決のヒント」第13回めの今回は「歯ぎしり」に注目します。前回の「いびき」、同室者への影響や病気の原因となることはお伝えできましたでしょうか。今回の「歯ぎしり」もいびきと同様にいろいろな影響が出てきます。さっそく見てゆきましょう。
【歯ぎしりとは】
「歯ぎしり」は睡眠障害の一種とされています。睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)では睡眠ブラキシズムとして睡眠関連運動障害群に分類されている、りっぱな病気です。
健常人においても約60%の方に経験があるとされ、成人ではおよそ8〜10%の頻度とされています。子どもさんはさらに割合が高いですが、成人になるにつれ減っていく傾向にあります。
【歯ぎしりの原因】
原因は特定されてはいませんが、次の原因とリスク要因が考えられています。
1)本態性(中枢性)
・脳(睡眠のしくみや睡眠の維持)に由来する場合があります。
2)二次性(続発性)
他の原因が引き金となる場合があります。
・ストレス
・アルコール、カフェイン、ニコチン
・睡眠の問題
・他の病気(睡眠無呼吸症候群、逆流性食道炎など)の影響
・お薬の影響
・遺伝
・頭の怪我 など
【歯ぎしりの症状】
・歯を食いしばる、すり合わせる、カチカチ鳴らす
・大きな音が出るときと、出ないときもあります
・朝起きるとあごが疲れている
・慢性的な肩こり、頭痛
・朝起きると頭やこめかみ、首が痛い
・朝起きるとだるい、寝た気がしない
・口を開けにくい(閉じにくい)
・歯科で歯がすり減っていると言われた
・医科・歯科にて歯やあごの異常の指摘
*他の症状が出る場合もあります
【歯ぎしりの治療】
根本的な治療は見つかっていないため、対症療法が行われます。
1)咬合療法
・噛み合わせの調整(正しい噛み合わせに調整)
・スプリント治療(マウスピース、歯の保護)
※定期的な歯科受診をお勧めします。
2)行動療法
原因となるリスク因子を減らすことが主眼になります。
・ストレス軽減(心理療法、自己暗示、リラクセーション)
・アルコール、カフェイン、ニコチンの摂取を控える
・睡眠障害の確認(睡眠の病気が無いかどうか確認する)
・睡眠の問題解決(睡眠衛生指導、生活習慣改善、薬物治療)
・お薬の影響
・生活習慣の見直し・修正(頬杖をつかない)
・咬合接触癖の矯正(ふだんは上下の歯が接触していない)
3)薬物療法
・α2ブロッカー、ボツリヌストキシン
※医科・歯科機関にご相談ください
歯ぎしりはいつもの噛む力の2〜5倍、場合によっては100kgを超えることもあるようです。このために歯やあごを含め全身に影響を及ぼす場合や、ひいては良い睡眠がとれなくなる場合もあるようです。
「歯ぎしり」も「いびき」と同様に、おやすみ中のことで自分自身は気付きにくい病気です。疑わしい場合は、他の方に確認してもらったり、アプリを記録したりで確認してみましょう。不調や異常がある場合は、早めに医療機関(医科・歯科)を受診しましょう。
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鈴木善貴 他. 睡眠時ブラキシズムの基礎と最新の考え方. 睡眠口腔医学(2016)
睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
MSDマニュアル(家庭版/プロフェッショナル版)
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眠りのお悩み解決
寝言(ねごと)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第14回めは「寝言(ねごと)」です。なんだ、寝言か。と言わず、実はこの寝言には睡眠の病気が潜んでいる場合があります。一緒に見ていきましょう。
寝言は睡眠障害国際分類(ICSD-3)では「睡眠時随伴症群」に含まれます。ここには、以前に紹介した悪夢のほか夢遊病やおねしょなども含まれます。寝ぼけて起きだして冷蔵庫を開け、ものを食べる行動を起こすものもあります。
あまり心配の要らない病状から、かなり心配な疾患まで含まれています。たがが「寝言」ではなく、ぜひお気を付けください。
【寝言とは】
寝言は、睡眠中に意味のある・あるいは意味のない音を発し、それを本人は覚えていないというものです。多くは小児や若年で起こり、年齢とともに頻度は低下するようです。「むにゃむにゃ」や「#%?&$!」というような意味不明なものが多いですが、はっきりと聞き取れるような話し方や独り言、笑ったりうめき声をあげることもあります。
【注意する病気・似た病気】
・レム睡眠行動異常
夢に一致した行動をしたり言語を発することがあります。レビー小体型認知症の初期に現することがあります
・睡眠時無呼吸症候群
息が止まり苦しくなるために苦悶表情やあえぎ、うめき声をあげることがあります
・睡眠時驚愕症
突然驚いたような悲鳴や叫び声を発します。成人になるに連れ治まることが多いようです
・てんかん
てんかん発作と鑑別が必要な場合があります
・心的外傷後ストレス障害(PTSD)
強いストレスを受けたときに一過性に生じることが多く、悪夢とセットで現れることも多いようです
・発熱性疾患(熱にうなされる)
いわゆる熱にうなされるというものです。熱が下がれば消失します
※他にも該当する病気があります。
【こういう時は注意】
・寝言により眠りが妨げられ日中の眠気や活力の低下があるとき
・ベッドパートナーが寝言により不眠症状を訴えるとき
・レム睡眠行動異常を疑う、夢に一致する行動をとるときは要注意です
例)大声の奇声、暴れる(手や足を激しく動かす)、暴力的な動き(実際に殴る、蹴る)、立ち上がる、歩き回る、飛び降りるなど
【寝言の予防】
寝言を防止する方法は確立されておらず、睡眠衛生に留意することをお勧めします
・日々のストレス軽減
・寝る前のデジタルデトックス
・不規則な生活をしない
・睡眠不足にならない
・寝酒を止める
・睡眠環境を整える など
睡眠の困りごと全般は当てはまりますが、自分ではわからないことが多いです。パートナーに寝相や寝言を確かめてもらいましょう。アプリで記録するのも良い方法です。
俗説ですが、寝言に返事をすると死んでしまうなどと言われます。これは迷信です。ただし、寝言に対し返事をすると、その返事の声で眠りが妨げられ眠りが浅くなったり睡眠不足や睡眠の質が低下する場合があります。寝言への返事は控えた方が無難です。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
MSDマニュアル(家庭版/プロフェッショナル版)
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眠りのお悩み解決
金縛り(かなしばり)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第15回めは「金縛り(かなしばり)」です。なんだか文字からすでに怖い印象がありますが、実際はどうなんでしょうか。金縛りは幽霊の仕業ではなく、ちゃんと病名(レム関連睡眠時随伴症・睡眠麻痺)があります。オカルトなものではありませんので、その点はご安心ください。
【金縛りとは】
眠り間際や夜中に目が覚めてウトウトしているときに、意識はあるものの身体が動かせない状態を指します。声が出せない、身体が圧迫されるよう、幽霊が見える気がする、誰かに見られているような気がするという方もおられます。思春期で頻度が高く、成長とともに減っていきます。
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。夢を見るレム睡眠のときは、夢の通りに身体が動かないよう脳と身体が遮断されています。このレム睡眠中に目が覚めたものの、何らかの理由で情報が遮断されたままになっている状態を言います。脳は起きたのに身体はまだ眠っている状態とでも言えるでしょうか。
【金縛りの病気・ナルコレプシー】
ほとんどの金縛りは、頻繁にあらわれるものではありません。繰り返すようだと何らかの病気が潜んでいる場合があります。そのひとつに「ナルコレプシー」があります。
「ナルコレプシー」は、睡眠麻痺が現れる代表的な疾患で、中枢性過眠症に分類されます。睡眠麻痺単独よりも、入眠時の幻覚や日中の過度の眠気を伴うことが多いのが特徴です。この「過度な眠気」が大きな特徴で、耐え難い眠気とも表現されます。たとえ危険な作業中や恋人との食事中でも眠ってしまうことがあります。
他に、脱力発作が起きる場合もあります。脱力発作は、笑ったり、泣いたり、怒ったりなど感情が昂ったときに四肢が脱力して倒れこむことがあり、注意が必要です。
睡眠麻痺に加えてこれらの症状がある場合は、医療機関を受診するようにしてください。良いお薬もありますので、躊躇せずご相談ください。
【金縛りの原因】
金縛りが起こる主な原因は、睡眠不足や睡眠リズムの乱れ(不規則な睡眠リズム)、ストレスが関与していると言われています。また、仰向けで出やすい傾向があります。他にもアルコールやカフェインにより眠りが浅くなっていたり、睡眠時無呼吸症があると生じやすくなるようです。
【金縛りの対処】
金縛りは続いても数秒から数分程度です。もし金縛りになったら「これは金縛りだ」と認識しパニックにならないことが大切です。その後、少しずつ身体(指先や足先など)を動かすようにしてみます。深呼吸をして、リラックスを心がけるのも有効です。
【金縛りの予防】
・規則正しい睡眠習慣(就寝と起床)
・睡眠時間の十分な確保
・ストレスをためない・解消する
・寝る前には光や電子機器を遠ざける
・適度な運動
・アルコール・カフェインの摂取を控える
・睡眠時無呼吸があれば治療
・睡眠環境の整備(温度など快適な睡眠環境)
・横向きに眠るようにする
自身やご家族で気になることがあれば、自己判断せずに医療機関に相談することをお勧めします。安心して眠れる毎日を送るために、ぜひ今回の情報もお役立てください。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
AASM Sleep Education(https://sleepeducation.org/)
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眠りのお悩み解決
むずむず脚症候群
周期性四肢運動障害
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第16回めは「足のムズムズぴくぴく」です。眠る頃になるとなんだか足が、ムズムズする、チリチリする、虫が這っているような感じがするなどの感覚がある方がおられます。また、眠っているとき足(足首から先が多い)がピクッピクッと連続して動く方がおられます。
この足がムズムズするのは「むずむず脚症候群(レストレス・レッグス症候群)」、ピクッとするのは「周期性四肢運動(障害)」という病気の場合があります。寝入りばなに足が火照ったりびくっとなるのは問題ありません。問題なのは、これらの症状により眠りが妨げられる場合です。
【足がムズムズ】
むずむず脚症候群(レストレス・レッグス症候群)は、先にあげた異常感覚・不快感覚を生じ、足を動かしたいという強い衝動にかられます。特に寝入りばな・安静にしているときにに強く現れることが多く、動くと楽になります。寝入りばなにムズムズ感が出現し、これを解消しようと足と動かしたり触ったり歩いたりするようになり、眠りが妨げられます。妊婦さんや貧血、鉄欠乏、透析の方に多いとされています。
【足がピクピク】
周期性四肢運動(障害)は、その名の通り周期的におよそ5秒から90秒の間隔で足が無意識に動いてしまいます。多少のピクピクは問題ありませんが、この動きで目が覚めたり眠りの質が悪くなってしまうと問題です。また、これが何度も繰り返すことにより、こむら返りを起こす場合もあります。
【対策・治療】
どちらも睡眠が妨げられてしまう場合は治療の対象になります。症状を和らげるお薬があります。程度や頻度が低い場合は経過観察のことも多いですが、症状がある場合は自己判断はせず一度は医療機関で相談してみましょう。
睡眠時無呼吸症候群やてんかん、神経の病気や薬の影響で生じることもあります。周期性四肢運動は自身では気づかないことも多いですので、同居の方に確認してもらうのは良い方法です。
【ここを確認】
1)症状
・異常感覚のため足を動かしたい強い欲求がある
・安静状態で症状が発現または強くなる
・動かすことにより改善する
・夕方から夜間に症状が出る(強くなる)
2)確認事項
・足の不快感の程度
・動き回りたい欲求の程度
・動いて脚の不快感がおさまるか
・睡眠への影響(睡眠障害)
・倦怠感、眠気はあるか
・症状全般の重さ、強さ
・どれくらいの頻度で症状が出るか
・日常生活への影響はあるか
・気分障害あるか、どれくらいか
*そのときの季節や気温の影響もメモしておきましょう
これらの病気について、知っていないと病気と気づきませんし治療に結びつきません。まず@知って、そしてA確認、該当すればB相談してみましょう。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
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眠りのお悩み解決
朝に起きられない
(原因)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第17回めは「朝に起きられない」です。もう少し時期は過ぎてしまいましたが、春の時期は朝に布団の中で二度寝、うとうとするのは気持ち良いですね。わかりまます。ところが朝から用事、お仕事や予定があると、そういうわけにはいきません。すっきり起きてはつらつと行動できるようになるにはどうすれば良いか、見ていきましょう。
今回は「朝に起きられない」原因を探り、次回はその対処方法を見ていきます。
【起きられない】
1)生活リズムの乱れ
・就寝・起床時刻がバラバラ
・体内時計が夜型
・概日リズム障害、交代勤務障害、時差障害など
2)睡眠不足
・夜更かし
・そもそも長時間睡眠者
・不眠症があり眠れていない
・過眠症、クライネ・レビン症候群など
3)睡眠の質が悪い
・生活習慣の問題(不規則な食事や運動不足)
・睡眠衛生の悪化(寝室環境、寝る前スマホ・PC、遅い食事、カフェイン・アルコール摂取)
4)持病・病気
・身体の不調(睡眠時無呼吸症候群、逆流性食道炎、前立腺肥大による頻尿、腰痛・首の痛みなど)
・こころの病(不安症、うつ病など)
・お薬の影響
※病気が原因として潜んでいる場合もあります。その際は専門の医療機関を受診しましょう
【すっきり目覚める】
1)疾病の治療
持病があれば、その治療を優先します
2)生活習慣の見直し
一日のリズムを整えるための生活習慣を見直します
3)睡眠衛生の改善
睡眠に影響する自分と環境の問題を改善します
すっきり目覚めてはつらつ行動できるようになるにはどうすれば良いか。このあたりを次回は見ていきます。お楽しみに
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眠りのお悩み解決
朝に起きられない
(対処方法)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第18回めは「朝に起きられない」について、その対処方法を見ていきます。すっきり起きてはつらつと行動できるようになるにはどうすれば良いか、見ていきましょう。
【起きられない】
1)生活リズムの乱れ
2)睡眠不足
3)睡眠の質が悪い
4)持病・病気
【すっきり目覚める】
1)疾病の治療
持病があれば、その治療を優先します
2)生活習慣の見直し
一日のリズムを整えるための生活習慣を見直します
3)睡眠衛生の改善
睡眠に影響する自分と環境の問題を改善します
【すっきりテクニック】
すっきり目覚めるテクニックとして、次のポイントを押さえておきましょう。
@眠りの副交感神経から目覚めて活動の交感神経にスムーズに切り替える
A行動ホルモン(コルチゾール)と満足ホルモン(セロトニン)を高める
B睡眠慣性(眠りの影響で目覚めがぼーっとすること)の影響を最小限に抑える
1)徐々に目覚める(目覚ましで飛び起きるのは避ける、驚いて起きるはNG)
・目覚まし音は徐々に大きくなるように
・カーテンを開け朝の光が差し込むようにしておく
・十分な睡眠時間を確保することが大前提
2)目覚める状態にする(睡眠慣性の影響を減らす)
・目覚ましはスヌーズを利用する(2回まで)
・二度寝も可、ただし二度寝の時間は20分まで
・スマホアプリで眠りが浅い時にアラームが鳴るように設定する
3)起きてすぐに行動しない(朝の時間に余裕を持つ)
・自然に目覚める
・起きて太陽の光を浴びる
・着替え、洗面、トイレなどをゆっくり行う
4)自己覚醒の習慣をつける
・明日は〇時に起きると決めて眠る
・規則正しい生活習慣や十分な睡眠時間があることが前提です。年齢や経験により徐々に起きられるようになります。
自己覚醒については、あまり思い詰めないようにしましょう。枕を起きる時間の数だけポンポンと叩いてみるなど、おまじないを加えて気楽に試してみましょう。自己覚醒はできない方もおられますが、それは異常ではありません。できる方、できない方がおられるのが実際です。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
Jan Born et.al, Timing the end of nocturnal sleep. Nature (1999)
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昼間の眠気対策
(対処方法)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第19回めは「昼間の眠気対策」について見ていきます。眠気の原因がはっきりしているときは、その原因を解決しましょう。ところがなんと、ヒトの生体リズムとして日中には眠気を覚えやすい時間帯があります。眠い!そんな時は、さてどうしましょう。
【昼間に眠たい原因】
1)睡眠に問題あり
*対策:睡眠の量と質を確保する
・睡眠時間が足りない場合はしっかり眠る
・起床就寝がバラバラならリズムを整える
・睡眠の病気は治療する(専門医に相談)
2)睡眠以外の問題
*対策:原因に合わせた対応をとる
・ストレス(仕事、家庭、生活など)解消
・慢性疲労は無理せず身体を休める
・自律神経を整える
※こちらをご参考ください。
2025/05/20_昼間の眠気(https://x.gd/FjdPC)
2025/04/04_疲労と睡眠(https://x.gd/k365Y)
【正しい昼寝】
お昼12時〜16時頃までは生体リズムから眠気が生じやすい時間帯になります。この時間帯の短い昼寝は、その後の活動性を上げてくれます。
日中に眠気があるときは昼寝を取り入れてみましょう。スッキリと回復します。ただ、注意事項があって…。
・短時間にとどめる
15分程度に、高齢者も30分程度までにします
・深い睡眠に入り過ぎない姿勢で
横にならず机に伏せたり座ったまま楽な姿勢をとる
・昼寝の前にコーヒーを飲む
目覚めの頃にカフェインが効いてすっきり目覚める
【眠気を覚ます方法】
その他、急場しのぎですが次の方法で眠気を覚めやすくなります。
1)からだ対策
・仮眠をとる
・身体を冷やす(首筋を冷やす)
・明るい光を見る
・ツボ押し(中衝、合谷、晴明など)
・つねる(刺激を与える)
・気をそらせる(別の作業をする)
2)行動で目を覚ます
・人と話す
・声を出す(歌う)
・姿勢を正す
・動く(席を立って歩くなど)
・ストレッチをする
・筋弛緩法を試してみる
・洗顔する
・歯を磨く
3)モノに頼る
・カフェインを摂る(コーヒー、エナジードリンクなど)
・ガムを噛む
・目薬をさす
・メンソールを塗る
・部屋を換気する
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
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昼間の眠気対策
(対処方法)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第20回めは「眠れない」対策を取り上げます。この対策は以前に一度、一連の眠りのお悩み特集の中で「寝付きが悪い」の項目で取り上げています。
今回は、そちらから特に生活習慣が原因で眠れなくなることへの対策を抜粋して考えてみます。
生活習慣・睡眠衛生に問題がある場合は、この改善できっと眠れるようになります。
【眠れない原因】
あなたはどの項目が原因で眠りにくくなっているのでしょう…
1.体内時計がずれているタイプ
1)夜更かし
・寝不足、睡眠負債がたまっている
2)体内時計
・もともとの体内時計が極端な夜型・朝型のため
2.寝る準備ができていないタイプ
1)環境
・暑い、寒い、むしむしした寝室
・明るい、うるさい寝室
・枕やマットが合っていない
2)からだ
・運動不足
・アルコール、カフェインの影響
3.自律神経の興奮タイプ
1)からだ
・寝る前の熱いお風呂に入る
・寝る前の強い運動をする
2)脳疲労
・ストレスの持ち込み、持ち越し
・寝る前にスマホを見る
・寝る前にゲームに夢中になる
4.ぐるぐる思考タイプ
・心配ごとがある
・過去のことを思い返してを引きずる
・先の心配ばかりしてしまう
【眠れない対策】
以下に気を付けて一日を過ごしてみましょう
1.体内時計がずれているタイプ
・起床時間を固定する
・朝陽をしっかり浴びる
・朝食は必ず摂る
・食事の時間は一定に
・睡眠日誌をつけてみる(眠りの可視化)
2.寝る準備ができていないタイプ
1)環境
・明るさ(真っ暗)、音(無音)
・温度(冬場20℃前後、夏場26℃前後)
・湿度(50%前後)
※静かで暗くて朝まで快適!が基本です
・自分に合った寝具を選ぶ
2)からだ
・寝る前は脳を興奮させない
(デジタルデトックス)
・夜のカフェインや寝酒は止める
・昼間は活動的に過ごす(運動習慣)
3.自律神経の興奮タイプ
1)からだ
・〇:体温が下がるタイミングで就寝
×:就寝前の入浴や強い運動
・穏やかな呼吸(深呼吸、4-7-8呼吸)
・漸進的筋弛緩法
2)脳疲労
・リラックス音楽、読書
・軽いストレッチ
・興奮を避ける
4.ぐるぐる思考タイプ
・寝る前の三行日記
・ポジティブ日記
・マインドフルネス瞑想
・ストレスケア
・睡眠儀式
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
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夏場の快眠方法
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【【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第21回めは「夏場の快眠方法」について取り上げます。夏場、寝苦しいですよね。この原因は何でしょう。暑いから!?そうです、そうです。そのあたりの対処方法を見ていきましょう。
【夏の快眠のポイント】
・体温変動を上手に利用
・光のコントロール
・体内リズムの調整
夏場は@暑い、A日が長い、Bそのせいで体内時計が狂いがち、なことが眠りの質を下げる原因となります。では、その対処方法はどうすれば良いでしょうか。
【夏場の快眠方法】
1)寝室の温度・湿度管理
・暑く寝苦しい夜は、室温を26℃程度に保つようにします。(ふとんの中は33℃程度になるように)
・タイマーをセットすると切れたときに室温が上がり目が覚めたり眠りが浅くなりますので、一晩中のエアコン使用をお勧めします。
・風量は弱めて、からだに直接風が当たらないようにします。
・26℃で寒く感じる場合は、掛け布団やパジャマなどで調整します。
2)体温変動を上手に利用
・体温が低下するタイミングで眠ると寝付きが良くなります。おやすみ90分程度前にぬるめのお風呂に入っていったん体温を上げておきましょう。
・熱いお湯や短時間の入浴では深部体温は上がりません。ぬるめの湯に15分程度が良いでしょう。
・シャワーも深部体温が上がりにくいので、夏場でも湯船につかることをお勧めします。
・寝る前の足湯や温かいタオルで足や手を拭くと、毛細血管が広がり放熱して寝やすくなります。
3)光のコントロール
・夏場は朝陽が早く差し込み明るくなり目が覚めやすくなっています。窓のカーテン(遮光カーテンはなお良し)は必ず閉めます。
・ただし、目覚めてから30分から1時間以内にしっかりと太陽の光を浴びます。
・体内リズムとも共通しますが、夜に強い光(スマホ、ゲームなど)を浴びないことで眠りにつきやすくなります。
・夕食以降は、部屋の明かりを暗めにしてみましょう。
4)体内リズムの調整
・朝は一定の時刻に目覚め、活動するようにします。夜も一定の時刻に眠るようにします。
・朝ごはんも決まった時間に必ず食べましょう。トリプトファンを多く含む食事を心がけます。
・昼寝は15時までに30分まで、夕方以降のうたた寝は厳禁としましょう。
・食べてすぐに眠るとからだに負担がかかり眠りが浅くなります。もし空腹で眠れない場合は、糖分があるもの(ハチミツや氷砂糖など)を少量摂っても良いです。歯磨きを忘れないように。
・日中の適度な運動を心がけましょう。
4)その他の快眠法
・夜に眠れないときは寝床で悶々とせず、いったん起きだしてみるのも一手です。
・起きだした後は、眠気が来るまでリラックスして過ごします。(灯りは暗めに)
・冷感素材・吸湿素材の寝具を選びます。
・パジャマは吸湿性の良いゆったりしたものを選びます。半袖・短パンは汗を取らないので適していません。
・枕はそば殻素材など通気性の良いものにします。
・横向き寝や抱き枕は涼しく寝られるようです。
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構
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ぐっすり眠る
「メラ活」「セロ活」
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第22回は「メラ活」「セロ活」です。なんやそれ!?ですが、これは眠りに重要なメラトニンやセロトニンを増やす活動、「メラトニン活動」「セロトニン活動」のことでした。「メラトニン」は眠りのホルモンです。「メラトニン」が増えると(増やすと)夜にぐっすりと眠れるようになります。
朝食から摂る「トリプトファン」が日中に陽に当たり活動的に過ごすことで「セロトニン」に変化します。これがまた時間をかけて夜までに「メラトニン」に変化していきます。夜に眠る準備は、実は朝からもう始まっているんですね。
【幸せホルモン・眠りホルモン】
@セロトニンは「ポジティブになるホルモン」「元気になるホルモン」「幸せを感じるホルモン」
・頭がすっきり、思考力や判断力向上
・共感力を高めスムーズな人間関係
・幸せな気持ちを持ちやすくなる
・ストレスが減る
Aメラトニンは「眠りを誘うホルモン」「眠りを続けるホルモン」
・寝つきが良くなる、スムーズな入眠
・眠りが継続しやすくなる、朝までぐっすり
・ぐっすり眠ってこころとからだの疲れが軽減
【メラトニンができるまで】
@食事からトリプトファンを摂る
A陽に当たり活動的に過ごしセロトニンに変化
Bセロトニンが時間をかけてメラトニンになる
Bトリプトファン→セロトニン→メラトニン
※セロトニンがたくさんできればメラトニンも増える
【セロ活・メラ活】
☆セロトニン・メラトニンがたくさん作られる生活習慣
@トリプトファンの多い食品を摂る
バナナ、乳製品、卵、大豆製品、ナッツなど
A朝は太陽の光を浴びる
朝起きたらカーテンを開けて外を見る、窓辺で朝食
B運動する
無理のない程度の運動、日中はアクティブに過ごす
C夜は光を浴びないようにする
部屋の明かりも暗めにしてみる、テレビやスマホに注意
D眠る前は30分のリラックスタイム
三行日記やマインドフルネスも良い
「メラ活」「セロ活」をすること、セロトニンとメラトニンの増える生活習慣を取り入れることで、日中の気分はより前向きになり、夜はぐっすりと眠れるようになります。心身ともに健康で充実した毎日を送るために、今日から始めてみましょう。
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脳が涼しい睡眠
寝室温度と鼻呼吸
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第23回は「脳が涼しい睡眠」について考えてみます。脳が涼しいってどういうこと?と思われるかもしれませんね。「室温」も大事ですが、ポイントは「鼻呼吸」です。特に夏場は、鼻呼吸を意識することで良い睡眠を得られる可能性が高まります。なぜなら…
【脳が涼しい睡眠のポイント】
一般に、脳が心地よいと感じる温度は23℃程度とされています。なかなかこれに対する根拠は見当たらないのですが、23℃、29℃、35℃で実験を行い、23℃が作業パフォーマンスや生理的負担が最も少なく脳機能の維持に適した温度であったとの報告がありました。確かに昔から「頭寒足熱」と言われており、まさに先人の知恵ですね。
1) 寝室温度
脳が寝やすい・心地よい温度として、寝室の温度は低め25℃前後にしてみましょう。室内は低めにして衣服や布団で調整します。質の良い眠りのためには、エアコンを一晩中かけておくことをお勧めします。
2) 呼吸
鼻呼吸で脳を冷やします。鼻の奥は脳に近いため、冷たい(体温より低い)空気を吸うことで脳を冷やすことができそうです。口呼吸ではこの効果が薄く更に睡眠時無呼吸症を悪化させることがあります。
※鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻科を受診することをお勧めします。
【おやすみ前の3-4-5(4-7-8)呼吸】
脳をクールダウンするイメージで、身体の力を抜いて行います。
@ 3(4)秒かけて鼻からゆっくり吸う
A 4(7)秒間息を止める
B 5(8)秒かけて口からゆっくり吐く
C 3回繰り返す
4-7-8呼吸がしんどいようでしたら、3-4-5呼吸でも十分に効果があります。イスに座ってでも良いですし、横になって行っても大丈夫です。
この呼吸は副交感神経を優位にリラックス効果もありますので、夜に眠れないときや夜中に目が覚めてしまった時にしてみるのも入眠に効果的です。
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2024/08/02_【快眠の秘訣】〜01 体温管理〜
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
産業安全研究所特別研究報告.環境温度の違いが作業パフォーマンスに及ぼす影響
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子どもの睡眠
睡眠不足!?
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第24回は「子どもの睡眠」について考えてみます。もうしばらくすると夏休みですね。お休みが続くと大人はもとより子どもも生活のリズムが崩れてしまいます。うんうん、私自身、思い当たります。生活リズムの狂いがどう睡眠に影響するのか、どう対処すれば良いかを見ていきましょう。
【子どもの睡眠の現状】
公益財団法人博報堂教育財団が子どもの睡眠について調査した結果があります。これによると、平日の平均睡眠時間は小学生が9時間弱、中学生が8時間弱となっています。これを長いとみるか短いとみるか。
ところが休日の睡眠時間を見てみると、小学生で1時間程度長く、中学生では1時間半ほど長く寝ています。これが何を意味しているかというと、はい、そうですね。平日の睡眠時間が足りないために、休日に長く寝ているということです。いわゆる睡眠負債の返済を休日に行っています。
平均睡眠時間
・小学生(平日)8時間56分(休日)9時間53分
・中学生(平日)7時間57分(休日)9時間26分
※睡眠の重要性は理解しつつも「もっと夜遅くまで起きていたい」は6割超。
また、子どもNPOセンター福岡が「ふくおか子ども白書2025」を発行しており、福岡県内の小学生の3割、中学生の5割が睡眠不足を訴え、こうした睡眠不足の子どもにはイライラや不安といった感情が高い傾向もみられた。としています。
【睡眠不足の影響】
それでは、このような睡眠不足は、どのような影響をもたらすのでしょう。
1)学習面の悪影響
・学習内容が定着しない(学力低下)
・集中力や注意力の低下(落ち着きがない)
・情緒不安定に(イライラ、喧嘩)
2)健康面の悪影響
・成長ホルモンの分泌不足(成長の妨げ)
・代謝機能の低下(肥満や糖尿病など生活習慣病リスク)
・免疫機能が低下(抵抗力が弱まる)
実際に、
・そわそわし話を聞けなくなる(1.26倍)
・我慢強くいられない(1.27倍)
*睡眠不足と併せ、睡眠時間が不規則な子どもも、日中の行動障害が起きやすい。との報告もあります。
【良い睡眠と生活リズムのために】
・就床時間を前倒しで睡眠時間を確保
・起床時刻は一定に
・休日と平日の起床時刻の差は1時間程度に
・朝食は必ず食べる(たんぱく質を摂る)
・昼間は屋外で活動的に過ごす
・夜は部屋の灯りは明るすぎないように
・寝る1時間前にお風呂に入る
・それ以降はゲームやスマホは控える
・寝床に電子機器を持ち込まない
*親が率先して睡眠時間を確保する
親御さんや先生は、目に見える表面的な子どもさんの状況のみではなく、その背景、原因や要因にも注意をしてみてください。
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公益財団法人博報堂教育財団「子どもの睡眠調査」2025.3.10
朝日新聞社 先生コネクト.秋谷 進
Yusuke Yamauchi.et al, Association of nighttime sleep with behaviors in Japanese early childhood. Pediatric Society, 2022.01
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
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睡眠クイズ
(年代別)
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
第25回目の今回は、睡眠にまつわるクイズです。年代別に3問あります。良い眠りのヒントとして、自分の年代だけでなく他の年代の問題も考えてみてください。さて、あなたの回答は…。
【問題】
<若年世代>
Q1.昨日は寝落ちして朝まで寝ちゃったので、今日は夜更かししてスマホを見よっと
<働き盛り世代>
Q2.いつも仕事のことが気になってなかなか眠れないけど、寝酒はよく眠れるなぁ
<高齢者世代>
Q3.起きていてもテレビも面白くないし何もすることがない、早めに寝ちゃおう
【回答例】
<若年世代>
A1.×:間違いです。その習慣、見直しが必要です
<解説>
・寝落ちはそもそも睡眠時間が足りていないサイン
・寝る前のスマホは光と脳への刺激で眠りにくくなり眠りの質も低下
・就床時刻のバラツキは大きなストレス要因(からだとこころ)
・休日の長寝につながりやすく、社会的時差ボケの要因となる
<解決>
・平日から十分な睡眠時間を確保しましょう
・起床時刻と就床時刻はできるだけ一定に
・寝る前30分のスマホ禁止(少しづつ使わない時間を増やしてみましょう)
<働き盛り世代>
A2.×:間違いです。ストレスと寝酒は眠りの大敵です
<解説>
・頭が仕事モードでは深い眠りに入りづらくなります
・寝酒は眠りを浅くし、眠時無呼吸症も悪化させます
・アルコールの習慣化は依存へのリスクにもつながります
<解決>
・帰宅後はプライベートモードに頭を切り替えましょう
・運動やストレッチ、ヨガやマインドフルネスなど趣味に没頭することもお勧めです
・仕事からプライベートに入るスイッチ(儀式)を見つける(つくる)ことも良いです
・明日のことが気になるようなら、リストに書き出して頭を整理すると安心につながり楽になることもあります
・お酒よりは白湯やハーブティーを試してみましょう
<高齢者世代>
A3.×:間違いです。睡眠の満足度が低下します
<解説>
・早く眠ると早く目覚めてしまいます、その結果、眠れないことだけ覚えてしまいます
・眠れずにふとんの上にいる時間が長くなると、睡眠満足度が低下します
<解決>
・朝食をしっかり摂り、日中は意識的に心身ともに活動的に過ごします
・昼寝は短時間(30分程度まで)にしましょう
・夕方からの運動も良いです
・他の年代には不向きですが、早く眠たくなる場合には日没後(夕食後)に部屋を明るくして過ごしてみるのもありです
・眠っている時間÷ふとんの上にいる時間を、85%以上にしてみましょう
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構
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起きられない!
その主な原因
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
睡眠のお悩みと解決のヒント、第26・27回目は、「起きられない」にスポットを当ててみます。
今回は「起きられない」原因について、次回は「起きられない」対策についてご紹介します。
朝に起きられない。その原因は、体内時計の乱れや不適切な生活習慣、あるいは病気が潜んでいるなど、原因は様々です。さぁ、見ていきましょう。
【「起きられない」の主な原因】
1)体内時計の影響(夜型化)
体内時計はずっと同じではなく年齢とともに変化します。幼少期はほぼ朝型ですが、高校生から成人にかけて夜型に変わってきます。そしておよそ50代以降になると、再び朝型に戻る傾向があります。
そのため、特に若い世代では、朝に起きることが体内時計の夜型化により起きられないことが多くなります。
また、季節間でも睡眠時間は変わり、特に冬場は夏場より起きられなくなることが多いようです。
2)睡眠相の後退
これは、遅寝・遅起きが常態化してしまい、朝が起きられなくなる”睡眠の病気”です。学校や仕事に行けなくなるなど、社会生活に悪影響が出てきます。生活習慣の見直しに加え、専門的な治療が必要な場合もあります。
3)睡眠不足
睡眠不足で朝に起きられない。私もそうですが、皆さんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。必要な睡眠時間を確保できておらず、脳と身体は眠っていたいのに無理やり起床する。起きられないのは当たり前ですね。
4)時差ボケ(社会的時差ボケ)
休日に、平日の睡眠不足を取り戻そうと遅くまで・お昼ごろまで寝ていると、体内時計が狂ってしまいます。その結果、月曜日の起床時刻は、土日の睡眠では眠りの真っただ中にいるようなことになります。時差ボケ状態で起きられなくなり、月曜日からこれでは辛いですね。
5)病気が隠れている場合
※ここにあげたのは一例です。これらの病気が疑われる場合も含め、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
@不眠症などの睡眠障害
夜に眠れなかったり何度も目が覚めたりで、朝型ようやくウトウトするような場合、起床時刻に起きられなくなることがあります。
A睡眠時無呼吸症候群
寝ている間に息が止まり、その度に呼吸をさせようと脳は目覚めます。一晩中、無呼吸が続いていると睡眠は分断され眠れていないということになります。
B起立性調節障害
起立性調節障害により起きられない場合もあります。自律神経の不調が原因で血圧がうまくコントロールできず、目覚めても起き上がれなくなったりします。
C過眠症
長時間睡眠者では通常の睡眠時間では足りず朝に起きられない場合があります。また、過眠症の場合、起きられなかったりいったん起きたもののすぐに眠くなってしまったりします。
D慢性疲労症候群
日常生活に支障をきたすほどの強い疲労感が続きます。そのため、起床困難のほか、不眠や頭痛、場合によっては微熱や筋肉痛を伴うこともあります。
6)お薬の影響
睡眠薬や睡眠改善薬については、持ち越しや作用時間の影響で、朝までその効果が残り起きられない場合があります。ご使用の際は主治医や薬剤師によく相談し、用法・用量を守って服用しましょう。
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
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起きられない!
その対策は
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【睡眠のお悩みと解決のヒント】
睡眠のお悩みと解決のヒント、前回は「起きられない」原因について解説しました。第27回目の今回は「起きられない」対策についてご紹介します。スッキリ目覚めるための具体的なヒントを見ていきましょう。
ポイントは、しっかりと睡眠時間を確保すること、そして体内時計を整えることです。上手な目覚まし時計の使い方もこっそりお教えします。
【「起きられない」の対策】
1)体内時計を整える
@規則正しい生活習慣(夜更かしを控える)
A十分な睡眠時間の確保(平日・休日)
B毎日決まった時間に起きる(脳が目覚める)
C朝はカーテンを開ける(光を浴びる)
D朝食を摂る(身体も目覚める)
E昼間は活動的に(心地よい疲れ)
F夜は強い光を浴びないように
Gアルコールやカフェインを控える
2)すっきり目覚めるコツ
@深い眠りからいきなり覚醒状態にならないようにすること
Aうとうとから目覚める(ゆっくり目覚める)
B充分な睡眠時間をとっている場合は二度寝も有効
Cただし二度目の二度寝で起きてしまうこと
3)目覚まし時計のコツ
@いきなり大きな音を鳴らさない
Aかん高い音よりもやや低い音(500Hz前後)
B機械音よりメロディアラーム
C簡単に口ずさめるメロディ
D早すぎず遅すぎないテンポで(BPM100-120)
E自分のお気に入りの曲で起きる
F起きにくい時はアラーム音量を徐々に大きく
G目覚まし音サンプル)https://youtu.be/PF37zV1BOw0
4)医療機関を受診する
生活習慣の改善をしてもなお起きられない状況が続く場合は、決して諦めたり放っておいたりせず、必ず医療機関を受診しましょう。
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
Stuart J. McFarlane et.al, Alarm Tones, Voice Warnings, and Musical Treatments: A Systematic Review of Auditory Countermeasures for Sleep Inertia in Abrupt and Casual Awakenings, Clocks & Sleep 2020
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眠れなくなる習慣あるある
(前編)
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【眠れなくなる習慣あるある】(前編)
今回と次回は「睡眠のお悩みと解決のヒント」の第30回・31回として、SNSで見つけたこちらについて考えてみます。
山田全自動(y_haiku)さんが、いろいろな「あるある」をSNSにあげておられます。睡眠に関する記述もあり、それが「眠れなくなる習慣あるある」でした。それぞれの対処について、一緒に考えてみましょう。
1.寝る前にSNSを見る
寝る前に面白いコンテンツを見たりゲームをしたりすると、興味を惹かれる、面白いなど、脳が刺激され興奮して眠りモードには入れません。せめて寝る前1時間と、寝床スマホはNGです。
2.夜にカフェインを摂取する
カフェインは覚醒作用があり、個人差もありますが4〜6時間も効果が持続するとされています。3時のおやつまたは夕食後のカフェインは控えましょう。
3.将来のことを考える
出口(結論)の無いことを考えると、肯定や否定を何度も繰り返し考えてしまい、漠然とした不安は眠りを妨げます。リラックスすることや入眠儀式を試してみましょう。
4.昼間、まったく日光に当たらない
朝の光を浴びないと、朝に起きて夜に眠るという体内時計が乱れます。また、睡眠ホルモンのメラトニンも作られにくくなります。朝起きたら30分以内に日光を浴び、日中は活動的に過ごすようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。眠れない原因はさまざまですが、快眠は、@環境を整える、A自分自身を整える、の二刀流です。
次回はこちらを考えてみます。
5.過去の失敗を思い出す
6.明日は早起きしなきゃと焦る
7.世の中の不平不満を考える
8.時計のカチカチ音を気にする
9.思い出し怒りをする
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構
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眠れなくなる習慣あるある
(後編)
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【眠れなくなる習慣あるある】(後編)
前回に続き「睡眠のお悩みと解決のヒント」の31回め、SNSで見つけたこちらについて考えてみます。
山田全自動(y_haiku)さんが、いろいろな「あるある」をSNSにあげておられます。睡眠に関する記述もあり、それが「眠れなくなる習慣あるある」でした。それぞれの対処について、一緒に考えてみましょう。
5.過去の失敗を思い出す
ネガティブな記憶イメージはストレスになり、自律神経が乱れて眠れなくなります。考えを切り替えるには、読み流せる本や何度も読んだことのある本を読みながら眠るのも一手です。
6.明日は早起きしなきゃと焦る
寝なければいけないという思いがプレッシャーとなり、ストレスになったり興奮状態に移行し眠れなくなります。リラックス呼吸や筋弛緩法を試したり、眠らなくてもいいやと開き直ることも大事です。
7.世の中の不平不満を考える
これも5.と同様に、考えがぐるぐる思考になったり、不満や怒りが自律神経を乱す原因になります。世の中の不平不満は起きているうちに考えましょう。朝のニュースを見ながら毒づいたってかまいませんから。
8.時計のカチカチ音を気にする
眠るときにリラックスができていないと気になることが多いようです。一度気になりだすとそちらに集中してしまい、余計に気になることも。時計を変えるか、緩やかな音楽を流してみましょう。
9.思い出し怒りをする
これも5.7.と同様です。興奮してしまうこと、思考の迷路にはまることで眠れなくなります。怒ったことに対して解決を一つ見つけて納得するなど、強制的に結論を出すのも一つの方法です。
いかがでしたでしょうか。眠れない原因はさまざまですが、快眠は、@環境を整える、A自分自身を整える、の二刀流です。
【眠れなくなる習慣あるある】
(前編)
1.寝る前にSNSを見る
2.夜にカフェインを摂取する
3.将来のことを考える
4.昼間、まったく日光に当たらない
(後編)
5.過去の失敗を思い出す
6.明日は早起きしなきゃと焦る
7.世の中の不平不満を考える
8.時計のカチカチ音を気にする
9.思い出し怒りをする
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寝床スマホ
スマホ依存・覚醒依存
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【寝床スマホ】
前回「眠れないあるある」を公開したところ、スマホのことで「そうそう、あるある」というご意見を多くいただきました。今回は、その「寝床スマホ」についての調査データをご紹介します。
スマホ依存!?覚醒依存!?です。すでに怖いですね〜〜。
ひとつめは「スマホ依存」です。イギリスの若者1,043名を対象に調査したところ、なんと38.9%もの人がスマホ依存症と判明しました。このうち、睡眠の質が悪いと回答した割合は68.7%で、スマホ依存のない人では57.1%を大きく上回り、スマホ依存は睡眠不足と関連していることがわかりました。
もうひとつは「覚醒依存」です。モロッコの学生294名を調査したところ、65.7%の学生はスマホは睡眠障害をもたらすと知りながら、その81.9%は就寝時にスマホを使用していました。悪いのはわかっているけど止められない。言い方はきついですが、薬物依存、ギャンブル依存と同様の、覚醒依存と言える状態ではないでしょうか。
そしてこれらの依存した学生は、睡眠の質が悪い(ピッツバーグ睡眠質問票5点以上):35.3%、メッセージの確認のため睡眠の中断:60.6%、起床時の疲労感(週1回以上):63.3%、睡眠の質が悪い自覚:40.4%と、睡眠の量に加え質にも影響が出ています。
「寝床にスマホを持ち込まない」「寝る1時間前には画面を見つめることを止める」こと。そうすれば、光の作用、自律神経の作用、脳興奮を押さえられ、質の良い眠りをもたらします。ぜひお試しあれ。
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健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
Sei Yon Sohn et al., The Association Between Smartphone Addiction and Sleep: A UK Cross-Sectional Study of Young Adults. 2021
Jniene A et al.,Perception of sleep disturbances due to bedtime use of blue light-emitting devices and its impact on habits and sleep quality among young medical students.BioMed Research International, 2019
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睡眠の秋バテ
原因と対策
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【秋の睡眠の不調】
明日からは10月です。日中は暑い日はあるものの、朝夕は過ごしやすくなり、時には肌寒く感じるくらいになってきました。季節の移り変わり、自然てすごいと実感します。そんな季節になり、寝苦しい暑い夜ともおさらばしてずいぶんと眠りやすくなってきたように思います。
ところが、この時期に睡眠の不調を訴えられる方もおられます。しかもそんなに少ない数ではなく、かなりよく耳にします。これはいわゆる「睡眠の秋バテ」ともいえる状況で、寝付けない、何度も目が覚める、朝に起きられない、眠りが浅くぐっすり寝た気がしないようなことがあるようです。
季節の変わり目、夏の終わりや春先にもよく現れます。今回は今の時期、その睡眠の不調が現れる原因と対策を見ていきましょう。
【睡眠の秋バテ原因】
@一日の寒暖差
自律神経の乱れにつながります。また、寝ているうちに思いのほか気温が下がり、寒いと感じて目が覚めたり体調を崩したりすることがあります。
A寝具の影響
夏のままの寝具を使っていると、夜間に気温が下がったときに対応できず、眠りづらくなってしまいます。
Bホルモンバランス
日照時間が短くなると、睡眠物質メラトニンの元となるセロトニンが作られにくくなり、結果的にメラトニンが減ってしまい夜の眠りに影響をもたらします。
C体内時計の乱れ
昼と夜の時間の割合が刻々と変化し、光の作用による体内時計調整の乱れにつながります。食事量の変化にも影響されます。
D体調不良
夏の間に徐々に溜まっていた疲労が、秋口になり顕在化することも多々あります。
【睡眠の秋バテ対策】
@運動のススメ
運動を励行し新陳代謝を高めるようにする、昼夜のメリハリのついた行動パターンも有効です。
A季節に合った寝具
寝具は夏のものをそのまま使用せず、秋用のものにしましょう。長袖長ズボンにして、気温が25℃を下回るようになるとタオルケットではなく薄手の掛け布団にしましょう。(寝具内を33℃程度に)
B活動的に過ごす
身体がらだるくて「一日ゴロゴロ」は避け、体調不良が無ければ日中はしっかりと活動的に過ごしましょう。
C体内時計を整える
規則正しい生活習慣がポイントです。朝はしっかりと太陽の光を浴びましょう。朝ごはんも欠かさずに、しっかりとタンパク質(トリプトファン)を摂りましょう。
D睡眠の14か条
睡眠への悪影響を改善し、自分に合う睡眠習慣を身に付けましょう
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早く目が覚める
(早朝覚醒)
対処法
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【不眠症の分類】
不眠症(精神生理性・原発性不眠症)は、主に次の4つに分類されます。
@入眠困難(寝付きが悪い)
A中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)
B早朝覚醒(予定より早く目が覚めて再入眠できない)
C熟眠困難(ぐっすり眠った感じが得られない)
今回はお悩み多いB早朝覚醒を取り上げてみます。
【早朝覚醒とは】
自分の望む起床時刻まで眠れず、それから寝付けないというものです。男性では50歳代から始まり、およそ5〜10%程度の方みられるとの報告があります。
【早朝覚醒の主な原因】
@体内リズムの狂い
一日の生活の中で睡眠時間全体が前倒しになり、早く眠たくなり床に就き、その影響で早く目が覚めてしまうというものです。
A眠りが浅い(環境要因・寝室環境)
明るさ、音、温度などが原因となります。
B眠りが浅い(行動要因・寝るまでの過ごし方)
日中に活動的でない、寝る前に光を浴びたり脳の興奮(自律神経の亢進)をもたらす行動、お酒やコーヒーの影響などがあります。
C眠りのもとのムダ使い
長い昼寝、夕食後にウトウトうたた寝など、必要な眠りのもとをムダ使いして、睡眠を続けることが難しくなります。
【早朝覚醒への対処法】
@体内リズムの調整
就床時刻を、自分の起きたい時刻から必要な睡眠時間を引いて逆算し、その時刻まで眠らないようにする。夕方に少し強めの光を浴びる。
A寝室環境の整備
暗く静かでほど良い温度を目指します。
B睡眠衛生の改善
日中は身体を動かすこと、寝床でスマホやゲームはしない、寝る前は部屋の灯りは暗めでリラックスして過ごす。夕食後のコーヒーや寝酒は避ける。
C眠りのもとを大事に
昼寝は15時までに30分まで、夕食後のうたた寝禁止。
※注意点は、上記@とBでは元々の原因が異なるため、光の扱いが変わってきます。実施の際は、医療機関や睡眠の専門家のアドバイスを受けてください。
【ポイントはほどほど】
朝早く起きて困る困ると深く考えないことも、一つの考え方です。早く目が覚めても、前日は早く就床して睡眠時間が十分であり、日中の活動に支障が無ければ、「それはそれで問題なし」と考えることも必要です。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン(第3版):じほう社
「過眠症上の評価を行う際に必要となる睡眠保健(衛生)指導のポイント」安立浩祥(大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター)第6回日本睡眠検査学会学術集会教育講演
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