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夏場の快眠
〜寝室環境編〜 |
【夏場の快眠】〜寝室環境編〜
今回は季節にまつわる快眠方法の話です。夏の今の時期、昼は気温が高く体力を奪われがちです。また、食についても細くなりがちで更に疲れが蓄積してしまいます。環境的にも、夜にも暑くなることで眠りが妨げられ、早く明るくなることで朝は目が覚めやすく、自律神経の乱れから睡眠が不安定になってしまいます。実際に夏場は約30分程度、冬場より睡眠時間は短く、中途覚醒も増えます。また実際に、眠りづらい方が増える時期となっています。皆さんは思い当たることはありませんか?
快眠の秘訣は、環境のことと自分のこと、それぞれを見直し改善することが大事です。今回はまず就寝環境について確認してみましょう。1)寝室環境と2)寝床内環境および3)その他要因から、まず1)寝室環境を考えてみます。
1.就寝環境
1)寝室環境
@室温
およそ28〜29℃程度が良いでしょう。クーラーは朝までつけておくことをお勧めします。どうしても切りたい場合でもタイマーは、深い睡眠を得られる時間を考慮し3時間程度はつけておくことをお勧めします。また、お休みになる30分〜1時間前くらいからクーラーをかけておき、寝具などを冷やしておくと眠りやすくなります。クーラーや扇風機の風は、直接身体に当たらないようにしてください、熱が奪われ冷えすぎてしまいます。睡眠中の脱水症状や熱中症にもご注意ください。
A湿度
おおむね50%〜60%程度が良いようです。湿度が上がると室温を高く感じやすいので、湿度が高い時は室温を少し下げてみるのも一手です。
B明るさ
基本的には真っ暗が良いとされています。ただ、真っ暗では不安を感じる場合は極薄あかりにしても良いでしょう。就床後にトイレに行く際は、明りにより目が覚めることを避ける意味で、足元ライトか懐中電灯を用いてみましょう。くれぐれも転倒やあちこちにぶつからないように気を付けてください。
C音
無音が睡眠には最も適しています。ただし、好みの音楽を小さな音でかけておくのはリラックス効果があります。歌詞のある曲ではなくて、自然の音やゆるやかなクラシック音楽は良いようです。
D香り
好みの香りがほのかに香るとリラックス効果をもたらします。一般に、ラベンダー、ベルガモット、ローズ、ジャスミンなどがリラックス効果が高いと言われています。
E換気
部屋の広さにもよりますが、締め切った部屋の場合、二酸化炭素濃度が上がり眠りが浅くなる場合があります。寝室入り口のドアを少し開けておくのも一手です。
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健康づくりのための睡眠指針2014:厚生労働省
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構(2013)
週ごとの平均睡眠時間および、中途覚醒時間に関する年間調査:ドコモ・ヘルスケア(株)調査 (2016)
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夏場の快眠
〜寝床内環境編〜 |
【夏場の快眠について】〜寝床内環境〜
前回に引き続き、睡眠環境について考えてみます。熱帯夜が多く眠りづらい日が続きますが、良い眠りにつながればと思います。
快眠の秘訣は、環境のことと自分のこと、それぞれを見直し改善することが大事です。就寝環境を1)寝室環境2)寝床内環境および3)その他要因から考え、今回は2)寝床内環境と3)その他要因を取り上げ、確認と改善のポイントを見てゆきます。
2)寝床内環境
寝床内環境は”しんしょうないかんきょう”と読みます。(寝床内気象、寝床内気候とも表現されます)寝具(ふとん、シーツなど)や服(寝巻、パジャマなど)を含めた、寝床内の環境条件を指します。
@保温性(放熱性)
寝床環境(ふとんの中)の温度は、33℃前後(33℃±1度、32〜34℃)程度が良いようです。夏場の寝具の素材としては、綿、麻、ウール(羊毛)素材、服はコットン(木綿)、ガーゼやリネン(亜麻)素材が良いようです。
※脳の適温23℃、身体の適温26℃と開きがありますので、室内は低め24℃程度にして、衣服や布団で調整するのが最も良い方法です。
A保湿性(吸湿性、放湿性)
寝床環境(ふとんの中)の湿度は、40〜60%(50±5%)が良いようです。湿度が高い時期は、吸湿性の良い肌着や放湿性の良いドライ素材ものにします。
B軽さ(重さ)C柔らかさ
夏場は特にこだわることは無さそうです。身体にまとわりつかない適度な重さや柔らかさの方が暑苦しくなさそうです。
D肌触り
夏場は冷感素材が心地よいでしょう。寝巻やパジャマは当たりの柔らかいものや伸び縮みしやすいもの、寝返りのときに突っ張らない、サイズ的にも余裕があるものが良いでしょう。
E身体保持性能(硬さ)
寝具(マットレスなど)には、寝返りに必要な適度な硬さが必要です。
F広さ(余裕)
狭い場所では心理的にも寝づらくなります。またベッドなど寝返りのための余裕あるスペースも必要になります。
G枕
夏場は通気性の良い枕が良いです。脳のクールダウンのため通気性の良い素材の枕を使用しましょう。そばがら、パイプなどが良いようです。保冷剤を使用するのも効果があるようです。
高い枕が適する:横向き寝が多い人、体格の良い人、男性 など
低い枕が適する:仰向き寝が多い人、細身の人、女性 など
暑くて眠りづらい方は素材で選び、眠る姿勢を重視される方は高さや形にこだわってみましょう。あまり高い枕(12〜15cm以上)は椎骨動脈乖離の原因にもなりますので注意が必要です。(殿様枕症候群)
3)その他
その他、良い眠りのためにこのようなことにもお気を付けください。
@就寝時の人数
一人で寝ること(一人でベッドを占有すること)をお勧めします。複数で眠ると睡眠は妨げられます。
Aペットと一緒
残念ながらペットが気になり眠りは浅くなってしまいます。
B色
個人差はありますが、原色よりもパステル調の色が落ち着くことが多いようです。心理学的には薄い緑、水色がお勧めです。
大規模研究では、よく眠れた(睡眠時間の長い家庭の)寝室色は、青>黄(クリームイエロー)>緑 の順でした。
C安心感
安全であることや安心感が良い眠りをもたらします。一方で、毎回眠れず寝床の上で悶々とする時間を過ごすと、寝床は眠れない場所という条件付けが生じる場合があります。30分程度以上眠れないときは、寝床を出るなどした方が良い場合が多いです。眠くなってから寝床に入るのが、”寝室を眠れる場所”にする良い手段です。
※寝床でいろいろ考え事をしてしまい眠れない時の対策は、後日、睡眠儀式の項で詳しくご紹介します。
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健康づくりのための睡眠指針2014:厚生労働省
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
医療・看護・介護のための睡眠検定ハンドブック:日本睡眠教育機構(2013)
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眠れない症状が 長く続くと危険です! |
【眠れない症状が長く続くと危険です!】
前2回は、寝室環境について快眠のコツを紹介してきました。次回以降は眠れる身体のつくり方などご紹介します。
その前に今回は「眠れない症状が長く続くと危険です!」のお話です。眠れなくなる要因を知り、快眠に活かして行きましょう。
眠れない原因には、@加齢や持病、睡眠環境、生活習慣・睡眠衛生などのほか、A体調(痛み)、ライフイベント、交代勤務や時差などによる睡眠リズムの変化が影響することがあります。これらのうちA以下の主たる原因が一過性であれば、その原因が消失すると眠れない状況は解消されることが多いとされます。しかしながら、種々の要因が複合しいったん眠れないモードに陥ると、その後に眠れない状況が持続してしまう場合があります。(不眠がベースラインにあった場合、1年後は70%、3年後は50%に不眠が持続していたとの報告あり。)
眠れないことが持続してしまう原因として考えられているのは、1)ストレスモデル、2)過覚醒、3)学習理論モデル、4)認知情報処理モデルが、考えられています。このうち、1)ストレスモデル(Spielman3Pモデル)では不眠のストレス因子をa)前提要因)、b)促進要因、c)永続要因に分け、それぞれの因子の合計が閾値を超えると発症するとしました。
例えば、ストレスに弱い等の前提因子を持つものが、ライフイベントなどの促進要因の影響を受けて閾値を超えてしまうと”急性不眠”となり、さらに誤った睡眠習慣などの永続要因が形成されると”慢性不眠”が形成されてしまうというモデルです。
この場合、促進因子が一過性であれば、その不眠の原因が無くなる〜軽減することにより、眠れなくなることは解消されます。しかしながら、永続因子である「誤った対処行動(不適切な睡眠衛生)」が持続すると、眠れないことは解消されず、不眠が慢性化することになります。永続因子を断ち切り、あるいは軽減することが、眠れないことを続かせない秘訣になります。
永続因子は主に、ご自身の睡眠に対する正しい認識・対処、適切な睡眠衛生(就寝環境、眠るための身体づくり)を実施することにより軽減することができます。日常生活で睡眠への取り組みが大事である所以です。過去2回の「睡眠環境編」の内容や、この後に公開する「眠れる身体づくり編」をぜひご参考になさってください。眠れないのが一過性であれば問題ありません。眠れないことが続くのを断ち切りましょう。
(参考)
前提要因:
年齢、性別、過敏性、不安になりやすい性格、不眠の既往、家族歴
促進要因:
疾患や離別などのライフイベント、時差を伴う移動や交代勤務のような睡眠スケジュールの変化、環境変化
永続要因:
不眠に対する誤った対処行動、不適切な治療
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標準的神経治療:不眠・過眠と概日リズム障害.日本神経治療学会・治療指針作成委員会.神経治療,Vol.33,No.4(2016)
Spielman AJ,Caruso LS,Glovinsky PB:A behavioral perspective on insomnia treatment.Psychiatr Clin North Am 10:541-553.1987
Morphy H,Dinn KM,Lewis M et al:Epidemiology of insomnia:a longitudinal study in a UK population.Sleep 30:274-280,2007
Morin CM,Belanger L,LeBlanc M et al:The natural history of insomnia:a population-based 3-year longitudinal sthdy.Arch Intern Med 169:447-453/2009
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快眠の秘訣
〜体温管理〜 |
【快眠の秘訣】〜01 体温管理〜
今回より「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」を中心に”快眠の秘訣”をお話ししてゆきます。1)体温管理、2)規則正しい生活、3)朝の光・朝ごはん、4)昼寝・うたた寝、5)嗜好品、6)睡眠儀式、7)薬物について、8)睡眠の病気 を予定しています。
第1回目は”体温管理”です。睡眠と体温が密接な関係にあることはこれまでもご紹介してきました。(2024/05/24【眠りの仕組み・04 体温変化を賢く利用】)今回はこの内容に加え、呼吸法についてもご紹介します。
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【体温をしっかり管理・調整しましょう】
@入浴
眠る1時間〜1時間半ほど前にお風呂に入り、上がった体温が下がるタイミングで寝床に入ります。シャワーでは効果が期待できません。
A運動
強い運動は眠る2時間以上前までに終わらせましょう。ただし軽い運動(ストレッチ)は行ってもかまいません。
B呼吸
鼻呼吸(特に夏場の鼻呼吸)には、脳を冷やす働きがあります。励行しましょう。お風呂でのぼせたるのは、身体が温まるだけでなく温かい空気を吸うことも大きな原因です。露天風呂はのぼせにくいのは、冷えた空気を吸うからです。思いのほか、呼吸と脳温度は関係しています。口呼吸は睡眠時無呼吸症を悪化させる場合があります。鼻呼吸が難しい場合は、耳鼻科を受診することをお勧めします。
【3-4-5(4-7-8)呼吸】
良い眠りにつながる鼻呼吸法をご紹介します。まず、姿勢を正し、
@3秒かけて鼻からゆっくり吸う
A4秒間息を止める
B5秒かけて口からゆっくり吐く
C3回繰り返す
元々は米国内科医のアンドリュー・ワイル氏が提唱した4-7-8呼吸ですが、日本人の体格や年齢に合わせ3-4-5呼吸としてご紹介しています。可能であれば4-7-8呼吸もお試しください。
特に夏場は、涼しい場所で行うと効果的です。また、リラックス効果もありますので、おやすみ前に行うと眠りやすくなります。
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https://www.drweil.com/videos-features/videos/breathing-exercises-4-7-8-breath/
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快眠の秘訣
〜規則正しい生活〜
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【快眠の秘訣】〜02 規則正しい生活〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第2回めは”規則正しい生活”です。規則正しい生活リズムは健康と健康に大切で、睡眠時間がばらつくと死亡危険率が高くなるという報告もなされています。(睡眠不足も死亡リスクが上がりますが、睡眠のばらつきが大きい方が死亡リスクが高くなりました。)
【規則正しい生活】
@毎日決まった時間に起きる
体内時計の働きにより、朝に目が覚めてからおよそ15時間後に眠気が訪れます。これに合わせるように、起きる時間から逆算して眠る時刻を決めましょう。眠るのが遅くなっても朝の起床時間は一定にすることがポイントです!その時は眠たくても、その日の夜はよく眠れるようになります。日中の眠たさは短い(30分までの)昼寝で解消を図ります。睡眠時間の確保は、後ろ倒しではなく就寝時刻で調整しましょう。
(例)私の睡眠時間は7時間・起床時刻は6時にしたい。
6時−7時間=23時:就床時刻は23時(実際は23時少し前に寝床に入る、寝付く時間が必要)
A休日前の夜更かし、休日の朝寝を避ける(若年者、働き盛り世代)
この世代はついつい睡眠時間を削り睡眠不足に陥りがちです。そのため朝起きられず、出勤・登校できない(出勤拒否・登校拒否、不登校)状態につながる恐れもあります。また、出勤・登校できても睡眠不足でボーっとしているたり、会議中の居眠りや仕事の効率低下や、児童・学生世代では成長障害、学力低下、運動能力低下、怪我や交通事故につながる場合もあります。場合により、対人関係のトラブル、家庭内不和や家庭内暴力につながる事例もあるようです。
この睡眠不足対策に休日に遅くまで寝ていると、概日リズムの狂いを生じます。よけいに月曜日の朝に起きることが辛くなってしまいます。このことは「社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)」とも呼ばれ、様々な健康被害を被ります。
※平日と休日の起床時刻の差は2時間以内(できれば1時間以内)にしましょう。お休みでも仕事や学校があるときと同じ時刻に起きて眠ること、同じ生活リズムで過ごすことが大事です。
B早寝をしすぎない(高齢者世代)
早く寝床に入ると早い時間に目覚めてしまい、その後はうとうとしたり眠れないなど睡眠の満足度が下がります。眠たくないのに寝床に入っていも眠れないのは当たり前ですね。若い頃のように眠れない(時間、質)のは当たり前と理解することも必要です。適切な就寝時刻までは趣味の時間や読書などでリラックスして起きておきましょう。ご高齢の方は「早寝」「長寝」「昼寝(長い昼寝)」にご注意ください。
また、寝床に入っても眠れずに悶々としていると”寝床は眠れない場所”という条件付けがなされる場合があります。寝床に入って30分程度以上眠れない場合は、いっそのこと寝床から出るのが良いとされています。眠気が訪れてからまた寝床に入るようにします。
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Daniel P Windred, et al. Sleep regularity is a stronger predictor of mortality risk than sleep duration: A prospective cohort study.Sleep. 2023 Sep 21.
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快眠の秘訣
〜光の作用〜
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【快眠の秘訣】〜03 光の作用〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第3回めは”光の作用”です。光を上手に利用して快眠を手に入れましょう。
ヒトは昼行性の動物で約24時間を1日とする地球のリズム上で生活をしています。生まれてすぐはまだ昼夜が確立できていませんが、自己の体内時計や周囲の生活リズム、そして”光の作用”により「朝・起きる〜夜・眠る」の24時間リズムが徐々に確立されます。(イラスト参照)光を上手に利用して快眠を手に入れましょう。
【光の作用と快眠】
@朝の光
ヒトの体内時計は地球の時計(自転・24時間)より少し長めです。そのためヒトと地球の時計とを合わせる必要があります。この役目を果たすのが目覚めたときの光です。朝の光により一日の始まりとして体内時計がリセットされます。
●朝、目覚めたら30分以内に太陽の光を浴びるようにしてみましょう。
●夜勤などで朝に帰宅し眠る必要がある場合は、光を浴びないようサングラスなどで目を保護してみましょう。
「2024/4/19 ヒカリノチカラ」もご参照ください。
A夜の光
夜は眠る態勢になる必要があり、このため眠るホルモンであるメラトニンが分泌されます。ところが夜に光を浴びると、このメラトニンの分泌が低下し眠りにつきにくくなります。(朝の光:分泌多く、夜の光:分泌減る)
●夕食以降は、部屋の明かりを薄暗くしてみましょう。
●夜の各種店舗の光は明るすぎて要注意です。
メラトニンの分泌を抑制させる強い光の代表は、テレビ、ゲーム機器、パソコン、スマートフォンなどがあげられます。特にスマートフォンは、目に近いところで光を浴びますので注意が必要です。加えてこれらは、脳が興奮し(高ぶり)不眠につながりやすくなります。ブルーライトカット眼鏡もありますが、むしろ光そのものを浴びないようにすれば十分です。
●眠る前30分〜1時間程度と寝床での使用は避けましょう。
●子供さんは特にご注意ください。子ども(年齢が低い)ほど、眼の水晶体の濁りが少なく光の作用を強く受けます。
「2024/7/23 夏場の快眠〜寝室環境編〜」もご参照ください。
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Kleitman, N., & Engelmann, T. G. 1953 Sleep characteristics of infant. Journal of Applied Physiology
瀬川昌也: 睡眠機構とその発達. 小児医学 20(5); 828-853, 1987.
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快眠の秘訣
〜食事の影響〜
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【快眠の秘訣】〜04 食事の影響〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第4回めは”食事との関係”についてお話しします。ポイントは「バランスよく食べる」「規則正しい食事時間」「朝ごはんは必ず食べる」「朝からたんぱく質」「食物繊維」です。(持病があり食事指導を受けられている方は、そちらを優先してください。) 2024/7/25にこれを裏付けるような興味深い調査報告がありましたので、併せてご紹介します。
【食事の影響・役割・効果】
1) 朝ごはん
体内時計は、脳が主役ですが身体の各臓器や細胞にもあります。光の作用により体内時計は整えられ、加えて”朝ごはん”にも体内時計を調整する働きがあります。この時はしっかりと噛むことで脳が刺激され、一層の覚醒効果が得られます。
食事内容は、朝からたんぱく質を多く含むものを食べるようにしましょう。眠りのホルモン”メラトニン”はたんぱく質から作られます。出来上がるのに時間がかかるため、夜に間に合うよう朝から食べることがポイントです。
前回の「光の効果」と「食事の効果」で、良い睡眠を手に入れましょう。
2) 食事内容(調査結果)
@たんぱく質の摂取割合が多いと、10分以上総睡眠時間が長くなりました。
A炭水化物の摂取割合が多いと、0.8%中途覚醒が少なくなりました。
ただし、個人ごとの適正な食事内容と量を心がけてください。極端な増減は体調を崩す場合があります。
*摂取エネルギー比率:たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%
B食物繊維の摂取量が多いと、総睡眠時間(10分長)・中途覚醒(1.1%減)・寝つき(2分短)の改善が見られました。
食物繊維の摂取量を増やし健康的な食事を心がけることで、睡眠の質が改善できます。
*食物繊維の目標量(1日):男性21g以上、女性18g以上(18〜64歳の場合)
CNa/K比が高くなると、総睡眠時間(11分短)・中途覚醒(0.7%増)・寝つき(1分長)が悪化しました。
*塩分の取りすぎによりNa/K比は高くなります。減塩は高血圧の予防にも効果があります。塩分摂取量を減らしてみましょう。
【付録】
〇トリプトファンの多い食材
カツオ、マグロ、肉、レバー、大豆製品(豆腐、納豆、みそ)、乳製品(牛乳、チーズ)、バナナ、ナッツ
〇食物繊維の多い食材
押し麦、ライ麦パン、そば、大豆、きなこ、納豆、いんげん豆、えんどう、白菜、リンゴ、アボカド、なし
〇Na/Kの改善
ナトリウムを控える:塩、醤油、味噌の他、加工肉食品などの塩分が多いものや化学調味料の使用を控える
カリウムを多めに摂取:里芋、じゃがいも、ほうれん草、トマト、バナナ、ぶどう、のり、ひじき、納豆
(心・腎疾患や結石などで医師から指示がある場合はそちらを優先してください。)
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「スマートフォンアプリで測定されたマクロ栄養素および食事成分と客観的な睡眠変数の関係」
Relationship between macronutrients, dietary components, and objective sleep variables measured by smartphone applications View ORCID ProfileJaehoon Seol, View ORCID ProfileMasao Iwagami, Megane Kayamare, View ORCID ProfileMasashi Yanagisawa(2024)
https://doi.org/10.1101/2024.07.25.24311028
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020年版)
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快眠の秘訣
〜昼寝・うたた寝〜
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【快眠の秘訣】〜05 昼寝・うたた寝〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第5回めは”昼寝・うたた寝”の睡眠への影響についてお話しします。
乳幼児期には昼寝が必要ですが、小学校に上がる頃には昼寝の習慣は減ってきます。一方で、成人においても体内リズムの影響で、日中の午後に眠気があるのは普通です。ただし、強い眠気の場合は睡眠不足のことが多く、その際はまずしっかりと睡眠時間をとるようにしてみてください。また、しっかり眠っていても眠い場合は、病気が潜んでいる可能性もあります。早めに医療機関を受診してみましょう。
ここでのポイントは「昼寝は15時までに30分まで」「夜のうたた寝は禁止」です。
【昼寝】
日中、活動的に過ごすため、昼寝はお勧めです。ここでお勧めするのは「15時までに30分までの昼寝」です。日中の短い昼寝(仮眠・Power Nap=積極的仮眠)をすると、頭がすっきりとして疲労感も軽減されます。時刻と時間に注意してください、「15時までに30分までの昼寝」です。
高齢者の場合、気を付けたいのは長い昼寝!30分以上の昼寝を習慣としている人は昼寝習慣がない人と比べ、将来の死亡リスクが1.27倍に増加することが報告されています。また同様に、昼寝の時間が長く、昼寝の頻度が高い(一日に何度も昼寝する)ほど、アルツハイマー型認知症のリスクが高くなります。
加えて、この時刻を過ぎたり昼寝時間が長くなってしまうと、その日の夜の睡眠に影響してしまいます。(眠りにくくなる、眠りの質が悪くなる)睡眠不足を昼寝で補うことはあくまで一時しのぎです。睡眠不足は夜の睡眠でカバーしてください。
もう一つのポイントとして、この昼寝はぐっすりと眠らず浅い睡眠にとどめておきます。昼寝の前にコーヒーなどでカフェインを摂取しておくと、ちょうど目覚めの頃にすっきり起きられます。
【うたた寝】
夕方や夕食後にリラックスをしていると、ついうとうととすることがあります。これは、その夜の眠りの大敵です。
朝に目覚めてから徐々にたまる眠気物質を、うたた寝で消費してしまうと、その後は眠りにくくなったり眠りの質が悪くなります。この睡眠物質を溜めておくことが、眠気を強くし良い眠りをもたらすコツです。
※眠りたい時間分は就寝時刻から前には起きているようにします。
例)7時間の睡眠時間・23時に就寝→23−7=16
→16時(夕方4時)以降はうたた寝をせずに起きておく。
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da Silva AA, et al. Sleep duration and mortality in the elderly: A systematic review with meta-analysis.(2016)
Li P, et al. Daytime napping and Alzheimer’s dementia: A potential bidirectional relationship. Alzheimers Dement 19(2023)
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
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快眠の秘訣
〜嗜好品の影響〜

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【快眠の秘訣】〜06 嗜好品〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第6回めは”嗜好品”の睡眠への影響についてお話しします。
コーヒーには覚醒作用があり眠れなくなる。ことはよく耳にすることと思います。はて?それはどれくらいの量でどれくらいの時間に影響をするのでしょうか。眠れないときの寝酒は正しいのでしょうか。
【嗜好品】
@カフェイン
コーヒーなどに含まれるカフェインには覚醒効果があります。眠りにくくなる上に眠った後も睡眠の深さに影響を与えます。4時間程度は影響を与えますので、できれば眠る6時間前以降のカフェイン摂取は控えましょう。また、カフェインには利尿作用があり、寝た後に何度もトイレに起きることで睡眠が妨げられます。
※一日のカフェイン摂取量の目安は300〜400mg/dLです。(マグカップ2〜3杯まで・厚生労働省)市販のエナジードリンクのカフェイン量はまちまちですが多いものでは300mg/dL含むものもあり、一日に何本も飲むことは要注意です。
Aアルコール
アルコールは脳の働きを抑える(麻痺させる)ことにより、リラックスや眠気をもたらします。(寝付きが良くなる)ただし、その後は眠り自体が浅く何度も目覚め熟睡感が得られません。カフェインと同様に利尿作用があり、トイレ問題で睡眠が妨げられます。アルコールの代謝には個人差がありますが、適量を夕食までにとした方がよさそうです。
※日本人は眠れないときに寝酒をする割合が高いのが特徴です。ところが寝酒をするくらいなら睡眠薬を使う方が効果的です。寝酒は厳禁と考えてください。加えて睡眠薬とアルコールの併用は危険です。睡眠時無呼吸の方は飲酒によりまちがいなく状態が悪化します。
→アルコールの影響
Bタバコ
ニコチンには覚醒作用があり、眠りにくく深い睡眠も少なくなります。タバコを吸うことでリラックスした感覚を覚えることがありますが、実は自律神経を逆に興奮させ睡眠の妨げになります。ニコチンの半減期(濃度が代謝され半分になる時間)は2時間とされていますが、その後も作用は残ります。就寝前4時間程度は止めておきましょう。
※タバコにより喉や鼻の奥で炎症が起き、いびきがひどくなったり睡眠時無呼吸のある方は無呼吸が悪化する場合があります。
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粥川裕平・Mebio
三島和夫:睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン,じほう,2014
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
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快眠の秘訣
〜睡眠儀式〜 |
【快眠の秘訣】〜07 睡眠儀式〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第7回めは”睡眠儀式”についてお話しします。
”睡眠儀式”って何ぞや?!と身構えなくても大丈夫です。要は、よく眠れるための行動、おまじない、あるいは自己暗示と思ってもらえれば結構です。”入眠儀式”と言う場合もあります。
子どもさんが寝るときの絵本の読み聞かせ、背中をぽんぽんと優しくたたくなどもこれに当たります。
自分に合った”睡眠儀式”をお持ちの方は、しっかりと眠れることが報告されています。
【睡眠儀式】
自分なりの睡眠儀式が定まると、寝付きが良くなり睡眠の満足感が上がります。
例えば、眠る前の軽いストレッチやマッサージ、カーテンを閉める、パジャマに着替える、アロマを準備する、日記を書く、読書や音楽鑑賞などがあります。
中には、夕方から眠るまでの一連の生活習慣を睡眠儀式として整える方もおられます。「食事−ノンカフェインのお茶を飲みながら映画を一本観る−お風呂に入る−ストレッチ−日記を書くーパジャマに着替える−布団に入る」のような過ごし方です。この時には、がんじがらめにきっちりと時間を守ることににとらわれず、だいたいの流れで進めてみましょう。(眠れることが目的で、スケジュール通りに行うことが目的ではありません。)
また、よく眠れた時のことを思い出しなぞってみるのも良いようです。自分のお好みで試してみてください。
睡眠儀式は、眠れるという安心感や寝床に悩みやストレスを持ち込まないことにもつながり、このことが睡眠の質を上げる役割を持ちます。
一方で、眠るときにいろいろと考え事をしてしまう、考えが堂々巡り、何度も同じことを繰り返し考える、次々といろいろなことが浮かんでしまう、雑念がわいてくるなどは、誰でも経験することかと思います。このようなときは、単純なことに集中する、意識を向ける、深く考えないようにするなど、考えを巡らせないことがポイントです。簡単にできる対策をご紹介します。
【眠れないときに】
@頭の中で柵を跳び越える羊を数える
1匹〜、2匹〜、3匹〜・・・
1匹、8匹(1+7)、15匹(8+7)・・・(中途半端な数を足す)
A羊を減らして行く
羊が100匹、羊が99匹、羊が98匹・・・
B引き算をする
100、99、98・・・
300、297(300-3)、294(297-3)・・・(中途半端な数を引く)
C認知シャッフル睡眠法
ある言葉の一文字から思いつく単語を列挙する。
ねむけの”ね”:ねこ、ねずみ、ねんど・・・
(思いつかなくなったら次の文字へ移る)
D呼吸を数える
いーーち、に〜〜い、さぁーん・・・(ゆっくりと)
E呼吸を確認する
吸ったーー、吐いたーー、吸った〜、吐いた〜・・・
F右手を思い浮かべ輪郭をなぞるようイメージしてみる
G自分の右足をなるべくきちんと思い出してみる
*数を数える場合は、増やして行くより減らす方が効果的です。
*呼吸に関しては、息を吐く時に副交感神経が優位(リラックス)になりますので、息を吐く方に意識を向けるのが良いようです。(3-4-5または4-7-8呼吸)
*マインドフルネスとして、一日の良かったことや楽しかったことを思い出す方法もありますが、良い場合と悪い場合があります。心理的に不安定になったりストレスがフラッシュバックする際は思い出す方法は止めておきましょう。
次回はこの続きで、簡単にできるリラックス法として「漸進性筋弛緩法」と「米軍式睡眠法」を詳しく解説します。
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Mindell JA, Telofski LS, Wiegand B, et al.: Nightly Bedtime Routine for Children A Nightly Bedtime Routine: Impact on Sleep in Young Children and Maternal Mood. Sleep 32(2009)
Hale L, Berger LM, Lebourgeois MK, et al.: Longitudinal Study of Preschoolers Language-Based Bedtime Routines, Sleep Duration, and Well-Being. Journal of family psychology 25(2011)
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快眠の秘訣
〜入眠サポート〜
ぐるぐる思考脱出
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【快眠の秘訣】〜08 入眠サポート〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第8回めは”睡眠儀式”から入眠サポート方法(ぐるぐる思考脱出)について、少し詳しくお話しします。
前回も書きましたが、ベッドに入るといろいろなことが頭に浮かんで、なかなか眠れない!こともあるかと思います。先のこと過去のこと、楽しいこと悲しいこと、心配事などストレスの元、いろいろなことが次々と浮かんでくることがあります。眠りたいのに寝付けないのは、眠れないことも辛いですし、好ましくない思いが頭の中をぐるぐる巡ること自体が辛いこともありますね。わかります。
このぐるぐる思考(反芻志向)やネガティブ思考の解決には、@心配事の解消あるいは解決の道筋や目途が立つこと が一番の解決策になりますが、なかなかそうそうすんなりとはいかない場合も多いと思います。その際は、昔から言われているような、A気分転換 は良い方法です。自分の意識の注意先をそらす、運動をする、自然に触れる、場所を変えるなどがあげられます。
一方で、B自身の心のありようを見直すこと で改善する場合もあります。自己否定を止める(自己肯定感を育てる)ことや、マインドフルネスを試す方法があります。
睡眠の問題の場合、気分転換で寝室から場所を変えることはできませんので、心のありようや考え方を見直すことが眠れることにつながります。原因となることが解消されあるいは小さくなると眠れるようになったり、眠ることがこころの負担の解決につながる場合もあります。心の問題と睡眠は、密接に関係しています。
ぐるぐる思考の解決のヒントとして、@原因の解決 A気分転換 B自身をみなおす を簡単にお話しました。ここから今回は、眠るときにぐるぐる思考にはまって眠れないときの対処方法をひとつ、少し詳しくご紹介します。
漸進性筋弛緩法は、おやすみの前に体操やストレッチと組み合わせて行うと効果的です。ポイントは力を抜いたときにその部位がほわ〜と温かくなる感覚を持つことが大事です。紹介の米軍式睡眠法は、オリジナルを加工しています。ボディスキャン瞑想、筋弛緩法、自立訓練法を参考にしています。
これらすべてを行う必要はありません。自分に合うものを取り入れてみましょう。前回の【快眠の秘訣】〜07 睡眠儀式〜もご参考になさってください。
【リラックス法_漸進性筋弛緩法】
1. 5秒間ギューッと力を入れパッと抜く
*全力で無くとも良い、息は止めずに行う
2. 10秒間リラックス(力をいれたところがじんわりとする感覚)
*吐くときを長めにゆっくり呼吸する
1) 両手:両手をギューっと握って(5秒)→パッと開く(10 秒そのまま)
2) 両腕:腕を曲げ脇をしめてギューっ(5秒)→ストンと抜く
3) 両肩:両肩をグッと上げ緊張させて(5秒)→ストンと抜く
4) 首 :首を下げて首の後ろを緊張(5秒)→ストンと抜く
5) 顔 :目と口をギューッと閉じて奥歯を噛みしめ(5秒)→ポカンとした顔
6) 背中:腕を曲げ後ろにグーッと肩甲骨を引き付け(5秒)→ストンと抜く
7) お腹:腹筋にグッとを入れて(5秒)→ストンと抜く
8) お尻:おしりの穴を締めるようにギューっ(5秒)→スーッと抜く
9) 両脚:足全体にピーンと伸ばして緊張させて(5秒)→ストンと抜く
【米軍式睡眠(入眠)法_高津変法】
*それぞれの部位に合わせ筋弛緩法(ギューっと力を入れてパッと緩める)を行うと効果的です
*無理に筋弛緩法は併せて行わなくても大丈夫です。力を抜いてリラックスすることが目的です
*それぞれの合間はゆっくり呼吸で全身リラックス(吐くとき長めに・自分のペースで、3-4-5または4-7-8呼吸)
*開始する部位は、頭からでなく逆からでもお好みの場所からで大丈夫です
*身体の脱力感(沈む感じ)がリラックス感につながり、呼吸により副交感神経を優位にし眠る態勢に、また情景を思い浮かべることで雑念が入り込むことを防ぎます
1.頭の存在を意識し(顔の筋肉をギュー・パッで)リラックス
〜頭が沈んでゆくイメージ
2.肩と背中の存在を意識し(肩甲骨を引き寄せギュー・パッ)でリラックス
〜背中が沈んでゆくイメージ
3.右腕の存在を意識し(右手グーで右腕をピーン・パッで)リラックス
〜腕が沈んでゆくイメージ
4.左腕も同様に行う
5.お腹と腰の存在を意識し(腹筋とお尻をギューパッで)リラックス
〜腰が沈んでゆくイメージ
6.右足太ももから足先を意識し(ピーン・パッで)リラックス
〜足全体が沈んでゆくイメージ
7.左足も同様に行う
8.全身の力が抜けとてもリラックスしている状態
9.ゆっくり呼吸を続ける
(吐くとき長めに・自分のペースで、3-4-5または4-7-8呼吸)
10.穏やかな気持ちで、池に浮かんだボートに(森の中で緑に囲まれ)
寝転がっているところを想像する
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漸進性筋弛緩法・呼吸法(大阪府大阪府こころの健康総合センター)
Jacobson, E. Progressive relaxation. Chicago: University of Chicago Press (1938)
Lloyd Bud Winter,et al. Relax and Win: Championship Performance in Whatever You Do. (1981)
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快眠の秘訣
〜薬の正しい使い方〜
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【快眠の秘訣】〜09 薬の正しい使い方〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第9回めは”お薬(睡眠薬)の正しい使い方”についてお話しします。
眠れない原因や症状は多数あり複雑に絡み合っています。自覚するのはただ一点、「辛い」ということですね。本当にストレスになります。眠ろう眠ろうとすると余計に眠れなくなったりします。私も経験があります。
一日くらい眠らなくても大丈夫さ、などと気楽に構えることも解決の一つです。一過性に眠れないだけであれば、多少のパフォーマンスの低下はあっても、いきなり倒れてしまうというようなことはまずありません。何度も言いますが、気楽に気楽に。心配なのは眠れないことが常態化してしまうことで、そうなると眠らなくてもいいやどころではなくなってしまいます。
【おくすりを飲む前に】
そんな時、まずは自身の状態を把握すること、そして医療機関にて正確な診断をしてもらうことです。こちらのサイトで重視する睡眠衛生指導や認知行動療法にて症状の軽減や快方に向かうこともあります。今回は、それらがしっかりと行えたとの前提で、お薬(睡眠薬)の正しい使い方について書いてみます。
【おくすりの効果】
上述のように、眠れない、眠りたい、眠れないと、不安や悩みを抱えて過ごすよりも、睡眠薬を服用し眠れるようになった方が楽な場合もあります。睡眠薬は認知症を進ませるという報告がありますが、逆に睡眠薬の服用でよく眠ることにより認知症を予防する効果があるとの報告もあり、はっきりした結論は得られていません。
【主な作用機序】
ベンゾジアゼピン系・非ベンゾジアゼピン系:脳の興奮を静めて眠りをもたらす
オレキシン系:覚醒システムの働きを抑え眠りを促す
メラトニン系:眠りのリズムを整え穏やかな睡眠を誘導する
ヒスタミン系:覚醒作用・興奮作用を弱め眠気を引き起こす(眠気は副作用)
【アルコールはダメ】
日本人は眠れないときに寝酒に頼ることが諸外国より多いと言われています。(10カ国の平均は19.4%、日本人は30.3%)またアルコールは睡眠薬よりも依存性が高いですし、アルコール自体が睡眠の質を悪くします。眠れないときの寝酒は止めましょう。また、お薬とお酒(アルコール)の併用も絶対に止めてください。
【自己判断は止めましょう】
お薬の増減は注意が必要です。増やすことにより効果が必要以上に強く現れすぎたり副作用の危険性も上がります。急に減らしたり中断すると、逆に眠れなくなったり、不安・焦燥、振戦、発汗、せん妄などの離脱症状が出現する場合があります。
睡眠薬などのお薬にて治療を受ける場合は、医師に指示された用法容量は必ず守り、自己判断で増減や中止をしないようにしましょう。効果や副作用に留意し、服用方法、効果に対する疑問や心配があるなど必要な際は医師または薬剤師に相談してください。
【使い方のポイント】
一般的に服用してから10〜30分後に眠気が生じてくるものが多く、このタイミングに合わせ就寝します。
誤った使い方として、早く寝ようと早めにお薬を服用し、けっこうな時間が過ぎてから寝床に入るというものです。例えば夜8時ごろにお薬を飲んで、片付けをしたり風呂に入ったり、着替えたりで寝床に入るのが10時頃になってしまった。というような場合です。飲んでから2時間程度過ぎていますので、血中濃度はもう下がってきており、期待する効果が十分に発揮されず眠れないということがあります。加えて、お薬を飲んだ後に動いていると、ふらつきや転倒の危険性も高まります。睡眠薬は眠る直前に服用するようにしましょう。
お薬の正しい使い方について、いかがでしたでしょうか。少しでも参考になれば嬉しいです。
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睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン:日本睡眠学会(2014)
睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
健康づくりのための睡眠指針2014:厚生労働省
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快眠の秘訣
〜健康食品・サプリ1〜
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【快眠の秘訣】〜10 健康食品・サプリメント1〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第10回めは”健康食品・サプリメント”についてお話しします。
ちまたでは健康食品・サプリメントに関する情報や広告があふれていますね。眠りに関しても多くの成分・製品が紹介されています。さてさて、これらの健康食品・サプリメントはどう考えればよいでしょう。効果があれば使ってみたいし…、手軽で効くのならありがたいし…、睡眠薬は飲みたくないし…、でも眠りたいし…。やっぱりけっこう高いしなぁ…、飲み続けても安全なんだろうか…、本当に効くのかなぁ…。いろんな思いが交錯しますね。悩ましいところです。私もそうでした、実際に使ったこともあります。その経験も含め、まとめてみました。
かなりのボリュームになりましたので、この項は3回に分けてご紹介します。
・健康食品・サプリメント1(今回):
健康食品・健康サプリとは、摂取にあたっての注意事項、選び方、使用目的
・健康食品・サプリメント2(次回):
実際に販売されている成分の例、考えられる副作用、使用にあたってのポイント
・健康食品・サプリメント3(次々回):
注意事項(リスク)、効果の確認、体調の確認、総括とコメント
【健康食品・サプリメントとは】
「健康食品」「サプリメント」には法律上の(行政的な)定義はありません。一般的に、@健康食品は「健康の保持増進に資する食品全般」(明らかに食品ではないもの)であり、Aサプリメントは「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」が該当すると考えられています。
イメージ的には、通常の食品よりも「健康によい」「健康に効果がある」「健康の保持増進に役立つ」などのイメージでしょうか。ただし科学的根拠については必ずしも十分ではありません。
国により根拠・効果が(保健効果、健康効果の表示を含め)認められているのは「特別用途食品」と「特定保健用食品」いわゆる”トクホ”のみです。機能性表示食品のような健康食品類は、これには含まれないことを覚えておいてください。
「健康食品」は食品ではありますが、特定の成分が多く含まれていたり、錠剤を構成する成分や添加物、製造過程にて混入する成分などにより、一般の食品よりも強く健康に影響を与えると考えた方が良いでしょう。
【使用にあたって】
健康食品には、成分が濃縮されていたり医薬品成分を含んでいるものもあり、摂り過ぎは危険な場合があります。また、服用している医薬品との飲み合わせで健康被害が発生することもありえます。身体に不調を感じたら、すぐにかかりつけの医師に相談しましょう。事前にかかりつけ医に、健康食品やサプリメントを摂ることを相談すると安心です。※栄養・保健成分は食事から摂取することが基本です。
健康に関する食品やグッズなどは、”手軽に始められる健康改善”あるいは”健康への意識づけ・動機づけ”という側面もありますので、医師への相談をお勧めしますが、自己責任にて始められることも一手です。
お薬、治療方法にも共通しますが、効果と副作用あるいはベネフィットとリスク、メリットとデメリットを総合的に判断し、効果やメリットが上回れば、その選択は問題無いと言えるでしょう。
【選び方】
期待する効果や自身の体調を勘案し、体質や生活習慣にも合わせることが大事です。
1.成分の確認
主成分の含有量を確認、含まれる成分が自分の体質やニーズに合っているかどうか
2.表示内容
含有量や配合成分がきちんと記載されているか、不要な添加物は含まれていないか
3.アレルギーのチェック
含まれる成分に、アレルギー反応がないかを確認する
4.クチコミ
アンケート結果や使用者のレビューを参考にする。ただし真偽については慎重に判断を
5.製品および製造メーカーの確認
信頼できるブランドを選ぶのが無難です(トータルケアや睡眠サポートの充実)
品質管理がしっかりしている(GMP(Good Manufacturing Practice)認証製品)
6.価格
効果と価格を天秤に検討する
【使用目的など】
使用目的は下記の内容が多く、効果について約6割が満足またはやや満足としていました。また、約2割の方に健康被害があったとしていました。(食欲不振、悪心、めまい、頭痛、じんましん など)
目 的:体調維持・病気予防、健康増進、栄養素の補給、疲労回復、美容、老化防止、ダイエット、症状改善 など
問 題:期待したほどの効果が無い、高額、有効性や安全性に関する情報が少ない、体調が悪くなった など
次回は、種類や実際に販売されているトクホの例、副作用、使用にあたってのポイントなどをお話しします。
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厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000113706.pdf
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c05/20.html
消費者庁:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_and_nutrition_labelling
日本医師会:https://www.med.or.jp/people/knkshoku/
サプリメントマイスター検定公式テキスト(日本能率協会マネジメントセミナー:厚生労働省認可)
健康食品コーディネーター公式テキスト(NPO法人日本健康食品アカデミー)
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快眠の秘訣
〜健康食品・サプリ2〜
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【快眠の秘訣】〜11 健康食品・サプリ2〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第11回めは”健康食品・サプリメント”の2についてお話しします。前回は健康食品、サプリメントのあらましをお話ししました。今回は実際の商品についても考えてみます。
かなりのボリュームになりましたので、この項は3回に分けてご紹介しています。
健康食品・サプリメント1(前回):
健康食品・健康サプリとは、摂取にあたっての注意事項、選び方、使用目的
健康食品・サプリメント2(今回):
実際に販売されている成分の例、考えられる副作用、使用にあたってのポイント
健康食品・サプリメント3(次回):
注意事項(リスク)、効果の確認、体調の確認、総括とコメント
【成分の種類】
睡眠に関する成分を取り上げてみました。網羅されていないものありますがご了承ください。
1.眠りに働く
1)メラトニン(セロトニン、トリプトファン)
体内時計を整え眠りを誘う
(副作用)頭痛、めまい、眠気、吐き気、嘔吐、腹痛 等
2)グリシン
就寝前に服用することで体温を下げ入眠を促進する効果
(副作用)胃腸の不調や吐き気、腎機能に影響 等
3)GABA
脳の興奮を抑えストレス軽減とリラックスを促進
(副作用)眠気やめまい 等
4)クロセチン
覚醒調節機能に影響があるヒスタミンを間接的に抑制し眠りを促す
(副作用)アレルギー 等
5)5-ALA(5-アミノレブリン酸)
体温上昇により身体の深部から熱を逃し脳が冷えて深い睡眠へ誘う
(副作用)光線過敏症 等
6)DHA・EPA(ω脂肪酸)
メラトニン分泌促進
(副作用)頭痛、胸焼け、悪心、下痢、出血傾向、心房細動 等
7)ラフマ
脳内の神経伝達物質セロトニンの分解を抑えメラトニンを増やす
(副作用)胃痛、腹部不快感、食欲不振、吐き気、下痢 等
8)ビタミン類
ビタミンB12:メラトニンの合成を促す
(副作用)吐き気、下痢、発疹 等
ビタミンB6:脳内でGABA生成に関わる
(副作用)手足のしびれ、知覚異常、光線過敏症 等
2.リラックス効果・疲労軽減効果
1)テアニン
緑茶に含まれるアミノ酸でリラックス効果がある
(副作用)頭痛や吐き気、胃部不快感 等
2)オルニチン
疲労回復によるぐっすり感とすっきりとした目覚め
(副作用)胃痛、下痢、頭痛、痒み 等
※効果および副作用は、持病(基礎疾患や服薬状況)や体調、健康食品(サプリメント)の摂取状況(種類、用量や服用期間)などにより個人差があります。また大量摂取や長期投与の影響などについても明確な判断基準はありません。(各社製品ホームページ等より抜粋・要約)
【実際に報告された副作用】
・メラトニン:短期の使用では比較的安全とされているが長期的な安全性は確立なし
・kava製品(ハーブ):肝障害
・ L-トリプトファンサプリメント :好酸球増加筋痛症候群への懸念
(厚生労働省:eJIME「統合医療」に係る情報発信等推進事業 )
【実際に販売されている特定保健用食品(トクホ)】(2024/9/1)
残念ながらトクホに睡眠に関わる製品はありませんでした。GABAは見つけましたが、睡眠ではなく血圧への効果でした。
【実際に販売されている機能性表示食品(睡眠関係)】(2024/9/3)
機能性表示食品の届出情報(消費者庁)”睡眠”を検索:販売中329件(該当757件)
・最終製品を用いたヒト試験により機能性を評価:販売中10件(該当21件)
・最終製品に関する研究レビューで機能性を評価:該当0件
・機能性関与成分に関する研究レビューで機能性を評価:販売中322件(736件)
・最終製品を用いたヒト試験+機能性成分の研究レビュー評価:販売中3件(該当3件)
※実際に人への影響について研究したものは10件、うち研究レビューも存在するものは3件という結果でした。この3件(あるいは10件)は、そうでない他の製品に比べ、十分ではないものの一定の根拠に基づいた裏付けがあると考えられます。
※一覧表には実際の製品名の表示がありますが、商品や製造者に対する利益相反はありません。
【使用にあたってのポイント】
・服用前に医師に相談すること(特に常用薬がある場合)
・用法・容量を守ること(過剰摂取を避ける)
・長期にわたり使用する場合は定期的な健康確認を行う
・成分表示を確認する(添加物も)
・信頼性のあるメーカーや製品を選ぶ(外国製品は注意)
・健康食品に頼らず、毎日の食事をバランスよく
繰り返しての記載となりますが、健康に関する食品やグッズなどは、”手軽に(すぐに)始められる健康改善”の立場から”健康への意識づけ・動機づけ”という側面もあります。医師への相談をお勧めしますが、自己責任にて始められることも一手です。
お薬、治療方法にも共通しますが、効果と副作用あるいはベネフィットとリスク、メリットとデメリットを総合的に判断し、効果やメリットが上回れば、その選択は問題無いと言えるでしょう。
次回は、注意事項(リスク)、効果の確認、体調の確認、総括とコメントをお話しします。
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=クリックで拡大=
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
消費者庁:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses
機能性表示食品の届出情報検索(消費者庁):https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/search)
統合医療に係る 情報発信等推進事業eJIM(厚生労働省):https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c05/20.html
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快眠の秘訣
〜健康食品・サプリ3〜
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【快眠の秘訣】〜12 健康食品・サプリ3〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第12回めは”健康食品・サプリメント”の3についてお話しします。今回は、最終的に健康食品やサプリメントはどう考えればいいの?どう使えばいいの?について回答します。
かなりのボリュームになりましたので、この項は3回に分けてご紹介しています。
健康食品・サプリメント1(前々回):
健康食品・健康サプリとは、摂取にあたっての注意事項、選び方、使用目的
健康食品・サプリメント2(前回):
実際に販売されている成分の例、考えられる副作用、使用にあたってのポイント
健康食品・サプリメント3(今回):
注意事項(リスク)、効果の確認、体調の確認、総括とコメント
【注意事項】
※定期的に医療機関の受診と健康チェックを行うようにしてください。
1.効果
期待する効果が得られない可能性がある、副作用が強く出る場合がある
作用や副作用の出現には、年齢による代謝低下や持病などの影響を受ける
2.健康への影響
期待する効果の他、予期せぬ効果を生じることがある
3.未確認成分
効果が十分に証明されていない成分が含まれている場合がある(過剰摂取や長期使用にも影響)
4.長期使用(常用使用)
毎日の服用など長期使用を基本としており、おのずと服用量が多くなる
依存性のリスクや耐性の形成を引き起こす可能性(使用開始と中断時には特に注意)
5.コスト
購入にかかる費用がかさみがちになる。効果と金銭を天秤に効果を感じるのであれば続けても良いでしょう
6.効果が出るまでの期間
効果が出るまでの期間は個人の体質や成分によって異なる
多くは数日から数週間で効果を実感できるとされているが、個人差が大きい
(グリシンやGABAなどは比較的早く効果を感じやすくハーブ系は時間がかかる傾向)
7.相互作用
他の薬を服用している場合や持病がある場合は、医師に相談することが重要
特に抗うつ薬、血圧降下薬、抗不安薬などとの併用には注意が必要
(効果成分だけでなく、結着剤や添加物の影響も無視できない)
【効果の確認】
・期待する効果が得られている
よく眠れる、寝付きが良くなった、ぐっすり眠れる、目覚めが良い、休養感がある 等
・体調がよくなった
・日中は活動的になった
・日中の気分がよい
・日中に眠気がない
・悪い体調変化がない
・止めると症状がぶりかえす
※使用にあたっては、評価表(日にち、服用内容、量、体調などを記入)を作成し、日々の記録から効果を確認すると良いです。
【体調変化の自覚症状例】
・だるさ、疲労感(疲れやすい)、倦怠感、食欲不振、体重減少・増加
・発汗、口渇、頭痛、眠気、不眠、不安・うつ、イライラ
・めまい、しびれ、意識障害・失神、けいれん
・発熱、微熱、長引く咳、息切れ、呼吸困難
・動悸、 胸痛、不整脈、胸のざわざわ感
・むくみ、痒み、発疹、アレルギー症状、光線過敏症、出血傾向
・食欲不振、胃部・腹部不快感、胸焼け、悪心(吐き気)、嘔吐、胃痛、腹痛
・下痢、便秘、血便、尿の色や量・頻度(血尿、少ない・多い、頻尿)
※これ以外にも症状は現れます。健康食品やサプリメントを服用していること、いつ(いつから)、どこで、どんなとき(何を飲んで)、どれくらい(飲んだ量)、頻度(初めて、飲むたびに)、程度(症状の強さ)などを控えておきましょう。診察時にしっかりと伝えることが大切です。
【科学的観点から見た補完療法】
補完療法が、治療や症状緩和に有効な場合があります。
・栄養学的アプローチ:
特別な食事療法、栄養補助食品、ハーブ、プロバイオティクス など
・身体的アプローチ:
ストレッチ、マッサージ、鍼灸治療 など
・心理学的アプローチ
認知行動療法、睡眠(入眠)儀式、マインドフルネス、瞑想、香り・音楽療法、
リラクゼーション法 など
・心理と身体の組み合わせのアプローチ:
漸進的弛緩法、米軍式睡眠法、ヨガ、太極拳 など
【結局のところ】
健康食品やサプリメントについて、これまで紹介を鑑み私見としての感想です。
※「使用にあたってのポイント」も参考にご覧ください。
・厚生労働省認証の「特定保健用食品(トクホ)」以外は、その効果は不確定である。
・かなりの費用負担となります、金銭的に余裕があれば考えてみても良いでしょう。
・心理的な効果が大きいなら、体調不良が無ければ使用するのも良いと思います。
・効果が、思わしくない事象を上回るのであれば摂取しても良いでしょう。
・健康食品の摂取は、治療ではなく体質改善であることを念頭に置きます。
・製品については玉石混合、使用にあたってはしっかりと調べ自己責任で判断します。
・体調の変化には常に気を配りましょう。(自覚症状の項 参照)
・異常があればすぐに医療機関を受診しましょう。
・長期間の服用では、必ず健康チェック(医師による確認)を行いましょう。
・健康被害のリスクは常に念頭に置いておいてください。
・食事から摂取できるのであればそちらを優先します。
・補完療法(栄養学的、心理学的、身体的アプローチ)を活用しましょう。
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厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/hokenkinou/
消費者庁:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_for_specified_health_uses
恩地森一ら.民間薬および健康食品による薬物性肝障害の調査.肝臓.2005;46(3):142-148.
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快眠の秘訣
〜睡眠の病気〜
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【快眠の秘訣】〜13 知っておきたい睡眠の病気〜
「眠るからだをつくる・眠るリズムをつくる」第13回めは、睡眠に関係する病気についてお話しします。なんとなく不調であったり、病気とは気づかずにいたけれど実は病気だったりすることがあります。睡眠に関係する病気、知っておいて損はありません。場合によっては、知ることが治療にもつながります。
どれも正しい診断と適切な治療が必要です。生活習慣(睡眠衛生)の改善で軽減する場合もありますし、カウンセリングや薬物などの治療が必要な場合もあります。どちらにしても気付かなければ治療はできませんので、このような病気を知ることは、早期発見や治療に結びつく可能性があります。
【知っておきたい睡眠の病気】
睡眠に関する病気は「睡眠障害国際分類 第3版(ICSD-3)」により分類されています。
1.不眠症 2.睡眠関連呼吸障害群 3.中枢性過眠症群
4.概日リズム睡眠・覚醒障害群 5.睡眠時随伴症群
6.睡眠関連運動障害群 7.その他の睡眠障害
※以前に一度、睡眠の病気は紹介しています。今回は、こちらで紹介していない病気を中心に解説してみます。
2024/6/14_【眠りの仕組み】〜10 眠りの病気〜(前編)
2024/6/18_【眠りの仕組み】〜11 眠りの病気〜(後編)
【一般的な症状】
だるそう・元気がない(疲労感や倦怠感)、注意力や集中力の低下、やる気・気力の低下、学業低下、いらいらしている、日中にうとうとしている、落ち着きがない、成績の低下、成長(体格・精神年齢)が遅れている などを見かけることがあります。これらに加え、頭痛、血圧上昇、吐き気やめまいを訴える方もおられます。
1.不眠症
短期不眠と、症状が3か月以上続く慢性不眠に分類されます。精神生理性、薬によるもの、疼痛や身体疾患、精神疾患や睡眠環境要因などにより生じます。不眠の原因を取り除くこと、慢性となる前に適切な治療が望まれます。
入眠困難(寝付けない)、中途覚醒(おやすみ中に何度も目が覚める)、早朝覚醒(早く目が覚めてそれ以上眠れない)などがあります。
ポイントは、上記のような一般的な症状などが無かったり日中に困っていなければおおよそ問題無いということです。例えば夜に何度も目が覚めても、そのまますぐに眠れるのであれば問題無いとも言えます。ただし、それらに気づかないこともありますので、注意が必要です。
2.睡眠時無呼吸症候群(睡眠関連呼吸障害群)
眠っている間に息が止まる病気です。古くは「オンディーヌの呪い」としてギリシャ神話にも出てきました。現在ではこの神話の病は睡眠時無呼吸症候群ではなく、先天性中枢性肺胞低換気症候群として睡眠関連呼吸障害群に分類されています。
3.ナルコレプシー(中枢性過眠症群)
耐え難い眠気に襲われます。中枢性過眠症群のクライネレビン症候群では、3日から3週間の強い傾眠を生じたあと何事もなく回復し、これを周期的に繰り返す場合があります。10代の男性に多いとされています。
4.睡眠不足・行動起因性睡眠不足症候群(中枢性過眠症群)
必要な睡眠時間がとれていない状態です。自分自身がしたいことがあるから眠らず起きている、睡眠時間を削って寝床でスマホを見る、塾などが遅くまであり生活時間が遅くなっている、親の生活サイクルに合わせて寝るのが遅くなり、睡眠時間が足りていないことなどが原因となります。これらの生活習慣(睡眠リズム)の乱れがもとで、休日の遅寝・遅起きによる概日リズム・覚醒障害に移行する場合も多々あります。
5.睡眠・覚醒相後退(前進)障害(概日リズム睡眠・覚醒障害群)
一日の起床・寝入りのリズムがずれてしまい、決まった時間に起きられない、眠れないなどから、眠気の増大により日中にボーとしている、居眠りが増えるなどを生じます。適切な治療を行わないと、不登校や出勤拒否、ひきこもりになる場合もあります。
6.社会的時差ボケ(概日リズム睡眠・覚醒障害群)
通常の時差ボケは海外旅行など時差のある所へ行き帰りするときに生じますが、日常生活の中でも起こります。平日の足りない睡眠時間を補おうと、休日に遅くまで寝てしまう状況です。休日前の遅寝や休日の遅起きにより体内時計が遅れ、月曜日の朝は体内時計は戻らず遅れたままの状態、時差ボケ状態になっています。就床・起床時間の乱れは、死亡リスクの増大にもつながります。
7.夢遊病・睡眠時遊行症(睡眠時随伴症群)
眠っているときの寝ぼけです。睡眠時驚愕症(夜驚症)では苦悶表情や叫び声が出ることもありますが、睡眠時無呼吸症候群による呼吸苦もそれに似た状態になることがあり、注意が必要です。
8.レム睡眠行動異常(睡眠時随伴症群)
睡眠段階のうちレム睡眠期では通常は夢を見ています。このとき脳からの運動指令は遮断されていますが、何らかの原因によりつながってしまうことがあります。こうなると夢の通りに身体が動いてしまいます。暴力的な、不快な内容であることが多く、ケンカの夢を見ているとそのまま動いて壁やベッドパートナーを叩いたり怪我をしたりする場合があります。また、このような方はレビー小体型認知症のリスクが高いとされています。
9.むずむず脚症候群・レストレスレッグス症候群(睡眠関連運動障害群)
足がむずむず、チリチリ、異常な感覚があり、眠れない病気です。
【睡眠の問題に気付くポイント】
眠っているときのことですので、ご自身では気づかないことも多々あります。ご家族で情報を共有、病気を知っておくことが大事です。心当たりがある場合は、ひとりで悩まず医療機関を受診、相談しましょう。
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睡眠障害の対応と治療ガイドライン第3版:じほう(2019)
健康づくりのための睡眠ガイド2023:厚生労働省
塩見利明.睡眠無呼吸症: 広がるSASの診療.2013
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快眠検定 Part 1
めざせ!快眠マスター
(基礎編)
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快眠検定 Part 1:めざせ!快眠マスター(基礎編)
【快眠の秘訣】シリーズも7月から13回、ご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。その総集編として「快眠検定」を実施します。この13回から基本的な8問題を作成しています。全問正解者には”スペシャリスト賞”もダウンロードできます。ぜひトライしてみてください。
あなたの快眠知識はどれくらい増えたでしょうか。
検定アドレスはこちら(QRコードからもアクセスできます。)
https://quiz-maker.site/quiz/play/BWR2xf20240912160658
(問題の解説は2024/9/20より順次公開します。)
今後は同様のクイズを、働くお父さん向け、子育てお母さん向け、高齢者さん向け、学生さん向け、など作ってみたいと思います。お楽しみにお待ちください。
また、ご意見やご要望などがありましたら、ぜひ教えてください。よろしくお願いいたします。
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